Monday, May 31, 2021

「ロリコン」を非難するすべての人へ

痛ましい事件が発覚した

 https://www.yomiuri.co.jp/national/20210531-OYT1T50113/

定期的にこの手のニュースを見るたびに心が痛い。子供が暴力を継続的に受けて、誰も気づかなかった、と。

また、この手の関連のブログ記事などで、「日本人は精神の幼児的なロリコンが多い」という揶揄もあり、

個人的にこの辺について整理しておきたいと思う。

まず、

(1)ロリコン(幼児性愛)の男性の比率の高さを「日本」特有に決めつけるのは偏見(バイアス)である。(本質的でない)

(2)ロリコン(幼児性愛)という「性志向性」と、子供への性暴力を行う、という「犯罪行為」を混同している

(3)問題の本質は「性暴力であり」、対象が子供であることはもう一つの切り離された問題である


この手の議論についてそもそも「ロリコン」を擁護する、というのはかなり社会的にはリスクを伴う。それでも私個人がここについて意見を発信したいのは、私自体が「コミック」を描く人間として同業者の実態も含めて、サブカルチャーの消費者やクリエイターへのいわれなき偏見や批判をよし、としないからである。

私自身、漫画家として生き残るために「ロリコン」という表現は一つの武器として持っているし、それを大きなお友達に提供することで価値提供する、というワークフローを絶たれることは「死」を意味する。

また、綺麗事だけで生きていけるほど優しい世界でもないので、俺らのマーケットにただの偏見とヒステリーでいちいち言いがかりつけんなよ、という怒りも感じる。

ただ、ここらへんはクリエイター都合なので、ではなぜ今回の事件と「ロリコン」への揶揄が短絡的な流れなのか、について解説していきたい。


(1)ロリコン(幼児性愛)の男性の比率の高さを「日本」特有に決めつけるのは偏見(バイアス)である。(本質的でない)

まずそもそも個人の性志向性、性エンターテインメント志向性というのは多種多様であり、ベン図のように個々人の志向性が複数の属性にかかっていたりするものである。

例えば女性を嗜好すると同時に男性を嗜好する、とか

わりと高齢者の女性が好き・・・とかも含め、

個々人の性の好みは多様である。

で、まず個々人の性嗜好は統計を通さなければよくその実態が把握できないし、そもそも「日本だけが異常」ということを示す理由は根拠が薄い、というのが個人の感想である。

Dateline NBCの Chris Hansen(クリスハンセン)がやっている 'catch the predators' みたいなのを見るとわかる通り、幼児性愛者であり、かつインターネットなどで子供に近づくような大人というのは定量的にはアメリカにも相当いるとみられ、そもそも「成熟したケツのでかいねーちゃん」をセックス・シンボルにしたアメリカですら「ロリコン」がいないどころか、まあ結構いるんじゃないか、というのが個人の見解である。

どちらにせよ、「日本」で特別に男がロリコンだというのは決めつけ、感想、の類を得ないと思う。むしろ日本では「ロリコン」をターゲットにしたサブカルの文化がわりと公認されている、がより正確な事実の捉え方だと思う。

ある国でゲイの比率が他の国より異常に多い、などということを事実統計などを抜きに「国語」でいいきる、というのは相当ヤバいのであり、これは幼児性愛についても同じである。


(2)ロリコン(幼児性愛)という「性志向性」と、子供への性暴力を行う、という「犯罪行為」を混同している

ここが致命的であるが、そもそも「ロリコン」という性「嗜好」性と レイプ「性暴力」というのは「別」である。

話を「ヘテロセクシャル」の次元に戻そう。

A: ジョージは、20代後半の女が好きである。

B: ジョージは、20代後半のマリーというOLを自室に連れ込み、殴り、強姦をした。

C: 20代後半の女が好きであるということは、 20代後半の女をレイプする、ということである。

このA→B→Cの流れを自然、と考えるのはそうとう知的能力が低い、と観察されるが、これがそのままロリコンに対しては疑問に思われていない。


また、

A: ジョージは、殺人ホラー系映画が好きである。

B: ジョージは、人を殺す可能性が高い。


このA→Bの流れも、詭弁だとわかる。

そもそも殺人ホラーを鑑賞して楽しんでいる人間の集合と、そこから「影響をされて」リアルで人を殺す人間は一致しない(ほぼほぼ一致、もしない)


話を戻すと、

A: 「ロリコン」の性嗜好を持っていて、「ロリコン」のコンテンツを消費している

B: 実際に未成年に危害を加える


のA→Bの因果関係は成立「しない」。


われわれが未成年に対しての性犯罪などの痛ましい事件を目にする時、実際におこっていることはこうである:


A: 「ロリコン」の性嗜好を持っている

B:  遵法意識が低い

C: 精神疾患を患っている(事理弁式能力低い、衝動をコントロールできない)

D: 自分の行った行動が及ぼす影響について、想像ができない

E: 他者の感情への共感能力が著しく低い

F: 実際に未成年に危害を加える


(1)つまり、社会で定めた最低限のルールとか決まりを守れない、(2)また、子供に危害を加える、恐怖を与えるということがその子供の人生や子供自体を足で「踏みしだく」行為なんだ、という「想像」がない


もう少し踏み込んで言えば、「セックス」とか「性行為」というのは人間同士がお互いを「大切にする」「コミュニケーション」であり、「愛」であり、まあその他の純粋快楽の追求もあるにせよ、(多くかつて恋愛弱者だった輩が風俗や「女が気を遣って合わせてくれるタイプ」の性行為を性行為の本質なんだと誤認している痛いケースもあるが、性行為は男も相当女に奉仕するエネルギーのいる、かなり労力を消費する行為だと思うが・・・・


それは「相互規定的」なものなので、


「一方が他方を蹂躙して快楽の道具にすることでは、ない」


し、例えばAVとかエロ漫画とか特殊なバーチャルなシチュエーションでは多かれ少なかれ犯罪的なシチュエーションを楽しんだことの一度でもない男はおそらく絶滅危惧種だと思われるが(僧侶とか?)、

それと実際の世界とは異なり、実世界では「フィクション」とことなり「リアルに存在する生身の人間を傷つけ破壊する」行為である、

それを、そういう結果がわかっていながらやれる、というのはまずその軸で「人としての何か、が欠落している」のである。


であるから、子供にたいする性暴力も、また成人にたいする性暴力も、根っこもそういうところが本質的な原因であり問題であって、


「ロリコンだから」ではないし、「ロリコンだから」は言い訳にならない。


また、再度強調するが、「看護師さんが性癖だから」→「おとなしそうな看護師さんを強姦しちゃえ」、とは「看護師さんを嗜好する男の大半は、」「ならない」のである。

なのでここに大きな詭弁が存在する。


(3)問題の本質は「性暴力であり」、対象が子供であることはもう一つの切り離された問題である

また、繰り返し強調するが、「子供」が人生を破壊される、このことはあまりにもおぞましいのであり、事実このことを持ってもより厳罰化(日本の司法は性犯罪に甘すぎる)をすべきだと個人的にはかんがえるが、

ここで注意しなければならないのは「性暴力」であり、(2)でも述べた通り「相手がどうなったって自分さえ気持ち良ければいい」、という自己中心的な「エゴイズム」であるというところは押さえておかなければならない。(これが、犯罪の、もっともコアな温床である

仮に「ロリコン」でも、大人しくてもじもじしているだけのキモいオタクは「無害」なのである。家で、二次創作で、マス描いているだけで社会を一ミリも害してはいない。

なので、この手の事件が起きると必ず「とんちんかん」なところに火の粉がいくが、犯罪を犯した人間は犯罪を犯すだけの理由がその人間性にあるのであり、「性志向性」という属性全般を人身御供にするのは、なんか呪術的でヒステリックで気持ち悪いな、と思いました。


相手が成人だろうが子供だろうが、「性的な目」で露骨に相手をみる、という行為がいかに彼女に負担や恐怖を与えるか、というふうに考えていくと、「なにがいけないことなのか」という問いの答えは明確なのではないだろうか。(大人だったらいいのか?笑)


無害な人間や集団をどんどん窮屈にさせて、肝心の犯罪者や予備軍にはなんの効果もない、そういう世論風潮や扇動は、悪だと思います。


最後に、子供に危害を加えるタイプの輩は、本来「きっかけや手段」である性を、「自分の一方通行的な、人を物として扱うエゴイズム」と倒錯している、まあかわいそうな人間だな、と思います。


倒錯をしているので、いつまでも本当にえるべきものは一切得られず、筐体自体が腐っているという意味で不幸な人生だと・・・・


以上!










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