Sunday, December 27, 2020

村上春樹の「アフター・ダーク」を読んだ

雑なあらすじをいうと、ファミレスで分厚い本を読んでいる謎の女子大生マリ、と高橋という若い青年の偶然の邂逅から起こるストーリー。エリ、というマリの姉がいて、マリはエリに対して容姿などでコンプレクスを持っていたが、ある日突然エリが半昏睡状態になってしまう。この状態にいたたまれなくなった(隣の部屋に昏睡状態の姉がいる、という事実に)マリは、深夜の東京で時間をすごす。

嫁が村上春樹のファンで、嫁の南京の実家に2回ほどいったときに嫁の本棚に村上春樹の本のかなりでかい中国訳が置いてあったのを覚えている。

ので、あんまりネガティヴなことは言いたくない。

ただ、正直に感想を言うと50点だった。

ストーリー自体は、いわゆる

(1) 現実世界(マリ、高橋、プロレスのおねいさん)

(2) 謎の異次元世界(エリの昏睡状態を表現していると思われる)

(3) 白川(風俗嬢を殴った男)の世界

の主に3つをスワップさせながら進行させていき、最後に(1) (2) を一つに合流させる、という形で大団円となっている。

細かく指摘していくときりがないのであれだが、プロレスのおねいさんのくだりや、個々のキャラクターの作り込みが印象的で、これについては純粋に面白いと思った。

ただ、白川がその後どうなったか、についての大団円は意図的にカットされており、その大胆なカットによってカタルシスをお預けにする、という手法にやきもきさせられた(しっくりこなかった)という考え方もできる。

ただこれは村上氏の個性とか、技法ということもいえ、まあ個人的にはしっくりしないがありかとは思う。

また、これは脱線するし本質的ではないかもしれないが、たとえば花盛りの森とかそういうもう少し前の世代の文学とかと比べて、

日本語が柔らかくなっているな、というか、

意地悪な言い方をすれば、

日本語が劣化している.... というふうな印象も受けた

欧米化した日本語、欧米化した教養....

なので、この作品を二回読みたいか、というと日本語の美術という観点からはかなり物足りなく思え、

ただそういうのはそういう時代の作品を読めや、などと言われればぐうの音もでない。

ただ、僕の学生時代読んできた日本語のほんと比べると、

格段に日本語が容易であるように思え、

なにかこう、しっくりこなかった。(そして、日本語がどんどん容易な、柔らかいものになっていくというのは、日本人という文明として、どうよ?とは思う。)

以上、「個人的」感想でした。

Rust の ownership の仕組みについて今ざっくり知ってる範囲を説明してみる



Rustは何年か前からぽちぽちいじっていて、Haskell並みに好きな言語ではあったが、

(こんなのとか作ってた) https://github.com/keitaroemotion/stress-tester 


そもそもRustって何がいいの?っていう話になるとやはりパフォーマンスで圧倒的だとか、安全性とかがある。とくに並列処理とかマルチスレッドをわりと簡単に安全に作れるところとか。


ただ、初学者にはRustの根本であるオーナーシップの仕組みがわかりにくいんじゃないか、という懸念はある。なぜRustが革命的かというと、これはヒープに起因する問題で、まずこれまではヒープを扱うのに主に2つのアプローチがあった。


(1) GC(ガーベジコレクタ、別名お掃除ママ)

(2) てめーの部屋はてめーで片付けろや (Cとかの手動メモリ管理)


(1) はヒープをランタイムに勝手に(JavaだとJVMとか)が整理してくれて、使わないメモリ領域を勝手に解放、他に割り当て、とかをやってくれる、やさしいマンマ。ごはんよぉぉ〜


(2) そうでなければ、自分でメモリ領域を割り当てる (malloc)、そのあと freeで解放、みたいなことを自分でやっていくが、ミスると segmentation fault とか容赦ないし、まあお漏らしして無事死亡。


さて、こうやってプログラミング言語は維持されてきて、そして、(1)はまあお掃除ママは優しいんだけどそれはすなわちお掃除ママががんばらなきゃいけないってことで、当然遅かったりメモリに響いたりしていた。

そこにRustが爆誕した。

Rustのアプローチは(1)(2)とは全く異なり、

(3) それぞれの値に死神(owner)を必ずつけて、値が生まれてから死ぬまでの一生をルールで縛ろう、ということになった。

例えば、


let s1 = String::from("Hi");

let s2 = s1;

println!("{}", s1);


こんなのがあったとする。

すると、普通のプログラミング言語だと s2 というのはs1のそっくりコピーさんなわけで、


こんなかんじを想像するだろうけど、そうではない。実際は下だ。


左はポインタ含めて、データのインスタンスを示すメタデータだが、Stringなどの非スカラーデータは2回目別の値にアサインされるとこの二番目の図のように、メタデータだけがコピーされ、同じインスタンスを指し示す。

メタデータだけのコピーになることを、shallow copy(浅いコピー)といい、インスタンスまでコピーする場合は deep copy(深いコピー)などと言われる。

ただし、メタデータだけのコピーになるが、上記コードでの、

println!("{}", s1);

はコンパイルエラーとなる。なぜかというとs1, s2ふたつのポインタが同一インスタンスをさすと、例えば片方s1がメモリを解放した時s2はどうなるんや問題があり、Rustのきまりとして、このように二つ目のメタデータが同一インスタンスをさしたときは、初めのインスタンスの寿命は消える


s1の死神 「s1、もうs2がお前の業務を引き継いでいる。お前に用はない。さあ、逝くぞ!」


というこういうかんじである。このシビアな言語仕様のおかげで、メモリ使用率やパフォーマンスを相当改善できている、というのがRustの強みである。

ただし、はじめの図みたいに deep copyをどうしてもしたければ、clone()というメソッドがあるので、 let s2 = s1. clone(); みたいにすれば許してくれはする。

ownershipは、スコープにより変数の寿命が死神によって決められているというふうに言い換えることもできる。


また、注意しなくてはいけないのは、スカラーデータ(数値、ブーリアン、スカラーデータだけのタプル、char)などはこの寿命の対象に往々にしてならない。というのは、これらは Copyという属性をもっているからである。(死ぬ奴はDropという属性をもっている)


例えばこの変数の寿命というのは、


let x = String::from("Ohayo");

some_function(x);

println!("hi: {}", x);


などとすると、println!は実行されずコンパイルエラーになる。これは関数で呼び出されることで死神によって変数が「逝く」からである(そのかわり、some_function内には引き継いだxのコピーがいる)


ただし、これはあくまでも非スカラー(String, 配列, スカラー以外の型があるタプル、その他)のデータだけの特徴で、

スカラーのデータの場合


let x = 30;

some_function(x);

println!("hi: {}", x);

これはコンパイルエラーにならない。これは、スカラーデータのような単純データがdeep copyされたとことでshallow copyと大差ないことに起因する。


などなど、雑感をまとめてみた。

Thursday, December 24, 2020

ノリアキ - know real key

過去のLogicファイルを発掘したのでリミックスしてみた




歌詞の内容は、今の自分とは180度違う考え方なので出すのもどうかと思ったが、まあ過去も包摂して生きていこう。。。。

小説練習「カツ太」


*これはフィクションです。実際の事件、人物、団体には一切関係ありません。


 日照りがひどく、コンクリートの上に死んだミミズが散乱している7月。俺はビール缶を飲みながらコンビニへ向かっていた。

40代になったが職歴はついに二ヶ月でやめた書店のバイトだけになってしまった。俺の同世代はきっと結婚して子供がいる。負け組だ。

誰が勝ち負けを決めるか、そういうのは主観だって漫画にかいてたが、そういうわりきりをできる強いやつってのはほんの少数で、やはり人は人と比べずにはおれない生き物だ。TVとかでも、成功した社長とか芸能人とか学者とか、みんな俺なんかよりずっと年下。俺はプライドだけは高かった。

まだ20代の時は、まだ俺には才能とか余裕とか潜在性があると思っていた。女にはもてなかったが、俺はギターをやっていていつかミュージシャンとして花咲くんだ、と仲間のバンド仲間とよく飲み屋で語らったが、全員適当なところで社会人として妥協して..... くだらねえやつらだなって思った。

ミキオ、は作詞作曲全般をになってて、ボーカルだった。はじめにバンドにはいったのはミキオに憧れてたのは正直ある。モテるっていう不純な動機をプンプン臭わせながら、アートへの真摯な拘りっつうか、信仰心すら捨てなかったそういうやつのスタイルに、俺は心底惚れた。


「いつかビッグになる」


合言葉だった。事実、俺らはローカルのメディアに取材とかもされたことがある。サンクラだって、再生数900は行った。


だが、お互い30歳前半くらいになって、一人ずつメンバーが抜けていった。みんな、大卒の賢いお坊ちゃんで、まあ安全牌として大手に就職、まあコロナで一斉解雇になったカツ太はざまあみろと思って、それを飲みの席でおれが毒ずいてぶちまけた。


「お前は無職だろ。無職がなにほざいてんだよ」


「お前らは無職になれなかったんだろ?俺は無職じゃねえよ、アーティストなんだ。自分を貫いてる。覚悟があるんだよ。」


メンバー全員の顔に侮蔑の表情が浮かび上がるのをおれはリアルタイムで感じ取った、そして、余計に怒りの感情がヒートアップした俺は、一人一人の弱点をまさぐっていたぶってやろうと思った。


「カツ太お前の彼女AVに出てたんだってなあ。」


ははっ顔が引きつってやがる。


「よく付き合えるよな!」


相手の女をダシにマウントとって、相手を引き摺り落とし、自身の優越性を確認する....

俺のこういう習性はまわりから疎まれる原因になっていた。


俺はお前なんかよりすごい。


俺はお前なんかより優れている。


「で?」


「はは、強がってる強がってる。で?じゃねえよ。恥ずかしくねえの?」


カツ太の表情の変化を一ミリも見逃すまいと顔を粘着質に眺めていた。


「恥ずかしいのはお前じゃねぇの?お前は強い言葉で自分を武装しているつもりかもしんないけど、脆弱性を強い言葉で隠してるだけだろ。お前いくつになったよ?32だぜ。32で自分一人で生活もできない、親元も離れられない、家に金も入れられない。」


「お前の言葉はただインパクトが強いだけの価値のない言葉だ。なぜなら、お前自身に価値がないからなんだよ。自分自身に価値がないと、人間は他人を下げたり貶めるために言葉が特化するんだ、だから汚物による汚物見たいな言葉しか生まれない。」


汚物だと....? カツ太のくせに!!!!


俺はそのとき頭に血が上って我を忘れ、手近にあったビール瓶を手にとってテーブルの角に叩きつけた。


俺はひるむカツ太の顔をじろじろ見ながら懸命に優越感を取り戻そうとしていたが、失敗したようだ。


俺の足は惨めにも、小刻みに震えていた。


なぜ俺がここまで虚栄の塊になってしまったのか。


なぜ俺が32歳まで仕事をしてこなかったのか。


俺はプライドが高かった、子供の頃から、自分が一番じゃないと気が済まなかったんだ。そのくせ、社会にとけこんだり友達を作るという力に乏しかった。


俺がいっていた高校はいわゆる進学校だったが、やはりそういう場所にも不良とか意地の悪いやつというのはいるもので、俺はいじめられていた。


いじめは、本当に吐き気がするくらいつらかった。


結局、バンド仲間とは本当の意味で心を打ち解け合う関係じゃなかったんだ、結局、あのときのいじめのフラッシュバックがあるから、俺が弱みをみせることで俺が搾取されること、これを俺はなによりも恐れていた。


それは、思考そのものとして恐れるというよりも、脊髄が、皮膚が拒絶反応を起こす。


そして、俺は嘘で自分を塗り固めることを覚えた。


実際、それは結構有効だった。


言葉ヅラで、相手をこき下ろして強がれば、俺は相手よりも優位に立つことができた。


マウントの取り方も上手になった、友好的な顔をして梯子外したり、あと俺がネチっこいことを知らしめようとした。


そうやってついに40歳になった。


アーティストになる努力。


俺は自分はいつかアーティストになれると思っていた、それはおそらくは、10代に特有の自分という認識主体こそが本質であり、世界の中心であって、俺は必ず誰にもない才能を秘めたダイヤの原石であること。


そして、仕事をするとか、社会人になるっていうのは負けだと思っていた。そういうのは負けたやつのやることだ。社会の歯車になって、ストレスに適応して、そうやってつまんない人生をループしていくつまんないやつら。


そして、老後の人生って....


老後に何かやって何が意味あるんだよ。


俺はああいうやつらになりたくない.........


そして、ついに俺の父親が他界した。持ち家はなく、母親は介護施設にいくことになり、俺は行き場所を失った。


野宿ははじめ相当きつかった。認めたくはなかったが、段ボールをスーパーから拝借して、公園の隅で寝るようになった。


こういう毎日が続いた。風呂には入らなくなり、どんどん体から異臭がでてくるようになったのか、近所ではちょっとした有名人になった。


ある日、カツ太が嫁さんと歩いているのをみかけた。


可愛い10代の女の子もいた。ああ、娘か。


嫁さんはすごい綺麗だった。俺がかつてバカにした、AVの。


カツ太は本業では貿易関連の仕事をしていたが、YouTuberとしても活躍していて、年収は億超えたとか。


俺は憤りに燃えた。


こいつから、一番大事なものを奪ってやりたい。


そうだ!!!!!


俺は昔ゴミ箱を漁った時に手に入れた出刃包丁をおもむろに取り出し(もともと護身用だった)、10代の女の子に向かって突進していった。



「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」



そこからの記憶は覚えていない。


気づくと、留置場で目が覚めた。


鼻の骨が折れ、鼻の形自体がすごいことになっていた。


あとで聞いた話では、カツ太はボクシングを10年ほどやっていたらしく、ほぼ一発KOだったらしい。


俺は拘置所の片隅で、ずっと唱えていた。


「俺はアーティストだ!」


と。


でもよく考えてみた.... が、俺は曲を一曲も作っていない!!!!!!

Saturday, December 19, 2020

Christopher Wylie の Mindfuck 読んでるんだけど


ネットのデマ(有責性の極めて低い刺激的な情報)でどんどん政治的に過激化する大衆心理がどこからきているのか、が一発でわかる貴重な本である。(まだはじめのほうだけど)

著者はもと SCL → C.A (Cambridge Analytica) のキャリアで、Donald Trumpを当選させるための工作を行なった関係者の一人だ。

彼の提供した大量のドキュメントから、いかにしてSNS(FBやツイッター)を使ったプロパガンダ・洗脳をCAが行なったか(そしてそれのバックにロシアのエージェントがいたこともここでははっきりと書かれている)が具に書かれている。

SCLの実績としては、パキスタンのテロを潰したり、南スーダンの武力勢力の武装解除を行なったり、ラテンアメリカでの人身売買を阻止したり... といった輝かしい功績もある。(つまりイギリスの軍部の直接的なコントラクターである)

C.Aにここが買収?されてから方向性がさらに変わったというか、ロシアが関与した不正な大衆のアジテーション(つまり洗脳)が行われたこと。

つまり情報兵器である。

兵器の特徴として、

(1) payload (攻撃主体)
(2) delivery system (輸送手段)
(3) targeting system (照準手段)

が挙げられている。

ミサイルであれば、

(1) 核弾頭や爆発物
(2) ミサイルそのもの
(3) 熱感知をしたり人工衛星と連携する追尾装置

これが情報兵器になると、

(1) ストーリー(人々を怒らせたり恐怖の感情を抱かせるような噂・陰謀論(rumor))
(2) SNS
(3) 機械学習による個別にみせる情報をかえること、また、作られたハッシュタグやトレンドなど

そして、最後に本人がはっきりと明言している、

web-fueled radicalization (インターネットで焚きつける過激化)


こうして、政治的に過激な考えをどんどん増長させていくような人間を量産するのである。

ここ最近のいわゆる「反安倍」的なお祭りや、それよりも数倍深刻な


老人の右傾化・過激化


はそもそもシリコンバレーとか特定の意図を持ったマイノリティによって焚きつけられ、操作・洗脳されている。(と当の本人が暴露しており、ザッカーバーグが吊し上げを食らったのは記憶に新しい)


 

 また、日本では老人の割合が高くなり、老人の多くは偏見なく幅広い考えを比較検討してバランスを保つよりも、単純なバイアスに飛びつきやすく、基本頑なである。

つまり洗脳して世論をあやつるための頭数としてはとても都合がよく、まあ彼の本に書いてある通り、「アレキサンダー大王は被支配国を露骨に略奪するのではなく、文化的イデオロギー的に同化させて自分の一部にしてしまう」、と書かれているので、まあアメリカの片棒を担ぐアメリカの犬(脳まで)というのは今後も変わらないんだろうな、と少し悲しい気持ちにもなる。


とにもかくにも、理知的な人間は、洗脳されたり踊らされたりするようなことは避けたいものである。

一つの考えに凝り固まると世界全体は見えないし、自身のドグマに拘泥していてもどんどん泥沼に入っていくだけでオーディエンスはつかない。

なにより、高齢者であれば人生がどんどん浪費されてしまう。

バカに陰謀論を食わせてモビライズし、国や人種へのヘイトを加速させることは日本に住む外国人や国際結婚カップルにとっては非常に深刻な事態で、そういうものとは戦わなければいけないと思う。

(僕の子供にも関わってくることだ)

結婚して変わったこと

中田敦彦さんの「たくさんの本を早く読めるテクニックについて」


話の内容自体については概ね全く同意できない、という結論に至った。
だがしかし、中田さんのトーク力とか、プレゼン力みたいなのは常人を逸した優れたものがあり、それはみていてすごいな、と思った。(話の構成とか見せ方が面白い、さすがは芸人)

いわゆる巷に跋扈する速読術、が現実的でないよ、というくだりはまさにその通りだと思っていて、ただし、

本を読破する必要はない、というところには同意ができかねた。

確かに一つの主題について限られた時間でまとめる際、自身の目的に沿った箇所を抜き出すという意味では時間効率はよい(Greedy Algorithmか....)

ただし、本によっては一部を消費して全体をわかったような錯覚をしてしまうので、それはよくないんじゃないかと思う。

もちろん、中田さんの言わんとしているコンテクストとしてそもそも読書が苦手な一般層が読書を継続的におこなうための心理的ハードルをどう下げるか、に主眼を置いているのでこの動画自体に罪はないと思う。

ただし、僕の考えでは、本は全部消費するのを前提としたほうがよい。

これは、いわゆる個人のネットでの情報収拾行動と同じく、自身のバイアスによって偏った情報をあつめるようなことをしないため、である。

また、心理的ハードルについてだが、これはとても単純なことで、

「読書を習慣にすれば良い」

ということだ。もう少し言えば

「動画や、スマホ、SNSといったメディアへの接触を最小限にする生活習慣を維持するという決意」

と言い換えることもできる。

これは語学とか、その他もろもろのことについて言え、自身の報酬系をどのようにインフラとして用意するか、ということだ。

パチンコや、ギャンブルや、ピンク系の趣味や、だらだらSNSに依存や、その他「低きに流れる」ものを報酬系として脳回路が記憶してしまうとそこで多くの時間を消費する。いわば、最悪のパターンである。

これは家や部屋の環境がどうなるか、ということとも関係しており、家の中にどの程度本が「積んであるか」(逆説的ではあるが)、家の中にどの程度本以外の娯楽と接触する機会があるか、ということとの相関関係とも言える。

つまり環境であり、不自由による自由である。
子供は顕著な例で、大人であっても、例えば飼育カゴの中に入れたザリガニに餌を撒いておけば勝手にあるだけ食べるように、その「飼育カゴに何をいれ、何を入れないか」

ということが読書へのアクセス頻度の決定的な鍵になる。


話がそれるが、語学などを短期間で強化したい場合に必要なのも「環境」であり、例えば自身のガジェット環境などから母国語を駆逐するとか、そういう手段まで徹底する、つまり不自由によって「外国語」へのより濃厚で恒常的な接触を可能にする。


読書がいちど習慣になれば(習慣というのは、例えばJKがスマホをいじる、という意味合いの習慣であり、背筋を伸ばして気合を入れるという習慣ではない)空き時間に隙があれば本と接触しているわけであるから、読破する、しないという問題ではなく本は読み通せるようになる。

また、本についても、どのような本を読むかも非常に大切である。

ミーハー過ぎるものや、だれかや何かの機嫌をとるための政治的・イデオロギー的な意図が強すぎるもの、極端なもの、出どころのよくわからないものなどは避けた方が良い。

ここでいう中田さんの定義する「知識を得るための読書」であれば可能な限りアカデミックな信ぴょう性の高いものがよい。ここらへんのセンスなどはおそらくは神田とかジュンク堂などはまだ腐っていないので、そこで選ぶとよいのではないか、と思われる。

などなど、個人の思うまま駄文を連ねてみた。

Sunday, December 13, 2020

On Noam Chomsky's 'Who Rules the World?'

Yesterday I finished reading the book named 'Who Rules the World?' written by Noam Chomsky who I recall one of the most impactful philosopher, chiefly called 'Chomsky Left', in United States of America.

Probably for the third world guy like me (I'm from Japan) it is not that appropriate to appraise the liberals/leftists on the other country because it can strengthen often bias for the country you want to demonize, and for the foreigner like me it can be the help of deepening the prejudice to the target country. The best approach to grasp overseas is just refer to both the left and right opinions since it can give more vivid idea (with relatively less bias) what the nation is about.


Such that in my position, it is highly evident that the scope of this article is not to demonize specific country but just dive deeper into a dark side of the subject. In his articles, what impressed me the most is:


1. JFK has been assasinated as a result of his administration's attempt to assasinate Fidel Castro (Operation racoon?)

2. Oslo accord is almost unilateral, and an Norwegian (as I recall) observes, that procedure is almost the reflection of Israeli & U.S demands with the concession of the Palestine states.

3. The terrorism and internal violence skylocketed AFTER the Iraq war, which killed/evacuated tons of people from their home country.

4. The current immigrant issue in Europe is caused by European nations themselves, as a result of their invasion and aggression in the Middle East/Africa.

5. The Cold War and Cuban Missle Crisis, which increased tensions between Soviet Union and the United States, is triggered by U.S's allocation of its fatal nuclear weapon in Turkey and the fatal situation ended because at that time the Russians(Stanislav Petrov) responsible for the attack rejected the order of their commander and refrained from attacking the U.S with the nuclear missile.


At this point what the Western and U.S (and it's allies aka puppy like Japan and South Korea), chiefly via the mainstram media view the China and Russia as a biggest threat and concern for the international security. And partially it could be true for us, since geopolitically there is always tensions, and recent Chinese policy looks pretty confident and agressive, at least from Japanese viewpoint. So, in short, they are 'Bad Guys trying to offend us'.


But this also, from another viewpoint, is not fair because we ignore the atrocities of Japanese Imperial Army (which our revisionists denies as a cult religion belief), also the atrocity in Gaza and Westbank. U.S supported, according to Chomsky the aggression of Israel, who randomly killed Palestinian kids and civilians. Israel repeatedly violated the Oslo accords which promises that West Bank and Gaza is not going to be separated but they didn't abide by the rule and tries to incarcerate Palestinians. They attacked the power plant, water supply, crops, et cetra to suffocate Palestinians. Hamas, from the west view is regarded as the terrorist group but how you react if your people are OFFICIALY massacred and the land is illegally exploited, invaded, and if there is the power disparity how you can confront to the reality? Free election? The United States and some of its western allies criminalized the 'freely elected government' and tried to assasinate the leader if it does not satisfy their needs.


The image of 'Justice America save the world' is nothing but the twisted religious propaganda, and the reality is there are too many victims harrassed and assaulted by the U.S government and its foreign policy. In the Bush administration they started the wrong war as a reaction to the 9.11. After 9.11 they acclaims that they are only victims but U.S. killed millions of people in the third world, which is 'not the big deal'.


After the Perl Harbour, U.S public view (as I recognize) is 'Japs attacked and killed our good soldiers, so we retaliated': to kill millions of civilians, mothers, kids. They dropped the atomic bomb. twice. In the TV series Heroes, there is a saying that 'We dropped nuclear bombs in Hiroshima in order to stop the war'. 


Absolutely Nope. This is their REVISIONIST view as ugly as Japanese conservatives say "There have been no comfort woman".

The mass murder of civilians, and such a gigantic crime to humanity, if you accept is you cannot put up with it so you psycologically justify yourself or subconsciously there is an assumption that the target you killed is 'subhuman'.


To be honest, in my personal view, it is 21st century so it is no use blaming Truman and being morally superior does not produce nothing, it bothers the constructive relationship, that is okay.


And it is not the issue only for America. Chomsky raises this issue in U.S. but it is our problem. In our country, partially via the hacking of the SNS and microtargetted campaign, combined with the ML and big data, we are remotely controlled and agitated, mobilized by the government and the government is largelly controlled (or at least affected by the gigantic private corporations). We all need to keep an eye on the radical patriots aka self-justifying racists who easily vindicate their own crimes and tries to accuse others of theirs.


The current outcome of middle east is nothing but the tragedy, and in Africa as well, plus, especially between the relationship with South Korea and Japan, on the 'Takeshima(Dogdo)' issue, the intrinsic issue here is the Yi-Soon-Mang Line, which was drawn (presumably by Korea but) it means by the U.S. (How can he draw such line without the permisson of the United States?). The line definitely caused the abhorrent national conflicts and hatred, but who profits the most when Koreans and Japanese hate together is the United States. As U.K did it in the middle east or everywhere in the Africa, that artificial line, contributed to local asians to hate each other and forget who is behind this. (easy, easy to control)


Unfortunately, for Japan at this point there is no other option than following the U.S government, the 'Powerful good guy' and we really need to be carefully not being demonized by this Good guy who did tons of crimes overseas.


Yet Japanese conservatives also can be a 'Good guy who kills thousands foreigners overseas', so we need to monitor these people and stop them once they got power.


The Chomsky's view on the Trump is really making sense, he and republicans are too much ignorant on the environmental issue, which is critical to our life/death issue. At the same time, he notes that the tension between Russia is alleviated because of him. However, as seen in the C.A. and Christopher Wyllie's disclosures of the internal documents, Russian agents, working with C.A using Facebook manipulated (brainwashed) its people to vote for the Trump. 


Now Joe Biden is the new President, probably the international mess is going to be better but on the other hand as we've seen in the Obama administration, may be for the North Korea or any other middle eastern nation like Iran/Iraq, may be there could be a fear since they are going to be more radicalized in order to kill the opponent. (drone assasination etc...)


Anyway, his works made me learn a lot of things about U.S. (and no offense, I repsect U.S, this is the bottom line) and realized that how the view we daily see is unilateral, one sided viewpoiont.

か・・・・勝てねぇ・・・・・


ギフテッドっているんですねええ・・・・

何一つ勝てん・・・・・・

すごい・・・・・・!日本を支えてください!!!オナシャース!

Friday, December 11, 2020

中国人の妻との、日常生活の漫画を書き始めました




中国人の妻との日常生活・喜怒哀楽など、ありのままに漫画にしてみました。これからも随時更新するので、よかったらのぞいてみてやってください。↓

 https://twitter.com/chinachibiwife











iPadを久しぶりに使ってお絵描きしてみた

 




もうアナログはやめたほうがいいんや.... (言い聞かせる)











Thursday, December 10, 2020

Keitaroimo / My Life

外山滋比古の「乱読のセレンディピティ」を読了した

 ざっくりいうと、


1. 同じジャンルの本を偏って読んだり、「読む」だけで知識をためるのみだと「知識バカ」になり、セレンディピティ(イノベーション)は生まれない。

 2.   ゆえに、全く関係のないいろんなジャンルの本を、ランダムに流すように読むと新しいアイデアが生まれる


という雑なまとめ方ができる。

外山滋比古さんのバックグラウンド的に、どうも「知の巨人」という呼び方がしっくりこない。アメリカであれば Noam Chomsky あたりがGiant と呼ばれているが、これは(i)かなり正確に膨大な根拠を元に世界(や時代)をまとめられているから(そして他の追随を許さない)であることと、(ii) その時代に「イデオロギー的な」インパクトを与え、多くの人や社会そのものの屋台骨にまで影響を与えたからだ。

そこまでの体力をして「巨人」と呼称するのならわかるが、少なくとも「乱読のセレンディピティ」を読む限り僕の感じたのは:


1. それぞれの主張について、一人称や主観が大きすぎ、根拠が恣意的である。

2. 定量的な知識をもつことやその主体に対するルサンチマン(私怨)がある。

3. 留学経験のある人間へのコンプレックスや怨恨がある。

4. 全体を通していくつか洞察(insight)はあるが、多くは感想文にはじまり感想文に終わっており、事実断定のための適切なプロセスを欠いている。


ただ、思考の整理学をまだ読んでいないことと、この人が九十代?になって書いたらしいので、まあある意味では耄碌したおじいさんの日常会話を聞いた、というだけなのかもしれない。一部はああそうか、と学ぶところもあったが、ただ悪い意味で文系に偏った世界の切り取り方だな、とも思った。


1. それぞれの主張について、一人称や主観が大きすぎ、根拠が恣意的である。

「知識をとるか思考を取るか」という二元論的な観点をもっているが、知識は思考のための材料で有り両者はお互いに必要不可欠である。知識と思考が相互にトレードオフな性質をもつのであればその根拠は、ある程度科学的に示されればならないが、信頼に足るレフェレンスがほぼ皆無で有り、ほぼ本人の空想である。

また、一旦知識信仰に入ってしまうと、本質的な生活を取り戻せない=すなわち知識を多く得る選好性は知性の本質でない、ということを暗に断言しているが、知識は知性の一つで有り、残念なことに、この文明は外山さんのいう「知識バカ」によって維持されている。つまりジェネラリストではなくスペシャリストが多くの場面で社会を根底から支えているということだ。例えば、医者が全員ジェネラリストで、医学の教科書は適当にかいつまんで流し読み、残りの8割はいろんなジャンルの教科書を乱読、などとなったら医療は維持できない。学際的なスタンスは確かにイノベーションをうむが(そして、これをわざわざセレンディビティなどと言い換えているところにナルシシズムを感じるが)、いわゆる一本だけに特化したスペシャリストがいかに我々の文明や生活を支えているか、に対する敬意が欠けている、という意味ではそもそもこの人は世界をぜんぜん把握できてないぞ、と思ってしまうのである。

申し訳ないが、巨人というよりは、数ある新書のうちの一つをたまたま手に取った、それもどっちかというと自分語りが鼻につく。。。という印象しか持てなかった。

そもそも、巨人などという大それた言葉をおいそれと安っぽく使うことに問題があると思っていて、少なくともこの著作に目を通す限りでは三木清のほうがまだ「巨人的な」包括性とか事実・認識に対する誠意があるし、阿部次郎とか、倉田百三とか、吉本隆明とか、そういうものと並べてもなおこの感想文を「きょじん」と呼ぶのか?言葉をインフレさせて言葉の価値をゴーゴーバーに叩き売るのが果たして「知」の世界にとっていいことなのか?そもそも「知」をなめてるんじゃないのか?と首を傾げてしまう。


2. 定量的な知識をもつことやその主体に対するルサンチマン(私怨)がある。

一貫して知識偏重型を目の敵にしているが、おそらく外山さんにみえているのはシミケン的な隙あらば雑学的なものなのか、そうでなければ知識(もっと違う言い方をすれば情報)がいかに人間や種の生存にとってボトルネックなのか... はわからないとちょっとやばいと思うが、おそらくは外山さん個人の何かしらのコンプレックスによって、彼が否定したい対象として「知識野郎」が煩悩としてつねに消えなかったんじゃないか、と思える。

おそらくは外山さんをかつて見下した誰かなのか。


3. 留学経験のある人間へのコンプレックスや怨恨がある。

これについても、留学経験があるとセレンディピティがないというのはちょっと何を言っているのかわからない。こういう個人の感想文を一般化してあたかも事実のように言い切るのは「アカデミックな世界としては」あまりにも乱暴であり、どういう統計をとったのか、反証はないのか、統計の母体と統計の手法と自身の根拠をうらづけるデータと反証の比など、おそらくグラフの一つでも出さなければ、(大変申し訳ないが)あまりにも知的な主体としてはお粗末すぎるのではないか。


宇多田ヒカルにはセレンディピティがないのか?


「りんごは白い」!と叫んだらそのままりんごは白くなるわけではなく、そこには根拠がなければならない。細木数子の占星術の本をよんでるわけじゃないので、巨人さんマジで勘弁して欲しいと思った。

自身のコンプレクスについて、それを癒すためにコンプレクスの原因であるステータスや属性を下げる、という弱さはよくみる愚かな光景であるが、そういうのを見せられている気がして、あまり感心はできなかった。


4. 全体を通していくつか洞察(insight)はあるが、多くは感想文にはじまり感想文に終わっており、事実断定のための適切なプロセスを欠いている。

コンピュータの2045年問題で「サラリーマン」を「踏ん反り返る」と表現するあたりも、「あ、こじらせてますね。。。」としか思えなかったし、人間の付加価値として膝付き合わせて会話する能力はとられないだろう... というような発想もきわめて幼稚としか思えなかった。(乱読するのにOreilly程度も読めないんすか。。。)

大変申し訳ないが、いろんなジャンルのいろんな知識が中途半端で、


あ... 乱読ってこういうことっすか...


というがっかりした読後感であった。


乱暴な物言いでずっと書いてしまって、不快な思いをされたら申し訳ないですが、虚心坦懐に素直な感想を綴ってみました。


みなさんももしよかったら読んでみてください。(宣伝で罪滅ぼし)https://www.amazon.co.jp/dp/B01M2ZNNSS/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_AmH0Fb4QDDHFS

Sunday, December 6, 2020

近況

 土曜日に妻の友達やその彼氏さんなどが我が家に集まり、パーティーをした。

はじめ自分の家に、多くの人があつまるという環境になれずだいぶ(コミュ障を克服するという意味で)葛藤があったのだが、最近はわりときちんとコミュニケーションできるようになってきたかもしれない... これも妻のおかげかな....

あとは漫画の下書きが10ページ完成したので、明日からぼちぼちペン入れをしようと思う。

アルゴリズムは、amortized analysisの復習と、van Emd Boasツリーのあたりをやっていた。

amortized analysis というのはプログラムのランタイムを図るためのアプローチで、aggregation method, accounting method などなどがある。aggregation method は単純に全体のランタイムをトータルの処理数でざっくり割る。あとaccounting methodとかはランタイムを台帳にみたてて、はじめに仮定したランタイムの合計を平均したもの?と各処理をつきあわせて、それぞれの処理が平均よりも遅ければ負債となり、早ければあまりがでるので次の処理に当てられる、みたいな方法をとる。これは、挿入と削除などそれぞれのランタイムが大きくばらついている時に近似値をみるときにいいらしい。まあそういうざっくりした理解なのであやういが。。。。


van Emde Boas ツリーは ノード全体(横に一列にならんだレイヤー)の総数を 2^2k みたいな感じで2の階乗として u を定義する。その u ^1/2 を そのレイヤーへのポインタの総数とする。みたいなことをする。つまりはじめに定義されたレイヤー(あたいには 1, 0 しか入らない)に対してポインタとしてのツリーを superimposition するわけだ.

いろいろ態様があるのでここで一括して述べるのは控えるが、 van Emde Boasの中でも階層が2以上あるやつの場合の sucessor やpredecessorを求めるアルゴリズムは比較的単純で、まず葉ノードから上に上がっていって上がっていってる方向の逆の子ノードが1になったときに下に降りていき、その際は右の1を再帰的に探していくか、左のそれを探していく。

階層が2だけのツリーの場合ブロック単位で検索したりできるのとやはり階層が低いのでアドバンテッジがありそうである。

そろそろ嫁に怒られるので今日はここまで











Friday, December 4, 2020

脅威について

多くの人にとって、脅威というのは


「自身のコントロール不可能な、自身の生命を脅かしうる外的な対象·現象のこと」


である。つまり恐怖心を起こしうる何かであって、これにはいろいろな種類がある。日本、それも都市部ではよりそれが排除され抽象化されているが、それは


「自然災害」

「路上で歩いている怖いお兄ちゃん」

「ふだんの人間関係で衝突があった誰か」

「病気」

「外国」


などいろいろあげられるだろう。人にとって脅威へのリアクションの態様も様々である。


「怒り」

「攻撃」

「構える」

「懐柔」

「従属」

「根回し」

「コミュニケーション」


脅威について、多くの人がよく理解していないことは、脅威への適切な対処法というのは二つのケースに分けられる。


1. 自身と脅威の間に圧倒的な力の差があるとき

2. 自身と脅威の間の力がある程度均衡しているとき


1. のうち、自身が圧倒的に力を持っている場合、相手を破壊して「脅威でない」状態に持っていくのは合理的な対処法であろう。例えば、


a. 権力のある中高年が若者を「潰す」

b. 家に侵入した昆虫をその場で殺虫剤で「殺す」


などである。


1. のうち、相手が圧倒的に力を持っている場合、


c. 相手から「逃げる」

d. 相手の支配下に置かれ、庇護を得る(相手にメリットを提供し続けていることが重要)

e. 相手との力の均衡を戻すため、自身の力を補完する(例えばヤクザが暴力を手段とした互助組織であるのはこの性質が強い)


2. の場合、脅威はある程度は解消されているが、それでも相手への潜在的な恐怖心、不信感、というものが拭えない状態である。


近現代史でいうと米ソ冷戦がこれに該当する。


米ソ冷戦、および太平洋戦争を材料としてもう少し踏み込んで考えてみよう。


米ソ冷戦をソ連からの視点で見た場合、アメリカは相当な脅威だったはずである。まず西側にソ連照準のミサイルを設置していた。また、太平洋戦争で日本に原爆っていうオーバーキルな兵器を使用した。普通に当時のスターリンの視点でみれば


「やべえ····あれがうちに落とされたらどうすんねん。。。」


となるはずだ。そうでなくてもスターリンは非常にびびりだったので、誰も信じられなくて自身の信奉者ですらも粛清した。


当然の流れとして、ソ連はアメリカに大量にスパイを派遣した。まずは、 e. アメリカとの力の均衡を戻すため、核技術をコピーすること、これが最上の命題であった。この動機については中国も同じである。


その後アメリカはイスラエルと結託して中東でめちゃくちゃなことをやるし、南米でも自分の気に入らない政権のクーデターを支援するためにむちゃくちゃなことをやり(まあその結果としてケネディが暗殺されるのだが自業自得としかいいようがない、自分もカストロ暗殺しようとしたんだから)、そしてキューバはものすごいストレス状態に置かれた。これに一肌脱いだのがソ連で、キューバにミサイルを置いた。


その後さらにバトルはエスカレートし、結局当時ゴルバチョフの下で、ソ連が「大人の対応を」したので(もしこれがなかったら多分アメリカ大陸残ってない)、冷戦は終結した。(まあアメリカはソ連の妥協に対して後でチートしたりとかまあそれはそれはあくどかった)


イラクとイランでもアメリカは無茶苦茶なことをやった。イラクは当初イランと対立したアメリカのために貢献的にアメリカをサポートしていたが、あとになってアメリカは手のひらを返しイラクに難癖をつけてここに大量に最新のアメリカの兵器を投入、大殺戮を行う(イラク戦争)。イランについても、中東の間では「イランが核もつほうが中東の平和になる」という周辺国はエジプトを含めほぼマジョリティだったが、「イスラエル」にとって脅威だというその一点で、イランへのアメリカからのリンチが始まった。


大量破壊兵器などどこにもでてこなかったがイランはぼろぼろに(アメリカによって)破壊され、今でもイランのトップの研究者が(まあイスラエルによって)殺されたのは耳に新しいニュースだ。


アメリカはとにかく自分にとって脅威になりえると判断した瞬間おおよそどこの国でも(西には甘いが)相当なことをやる国なんだ、というのが近現代の歴史である。日本もトランプ政権下になって、スーパーにアメリカ産カナダ産といった肉が並ぶようになり、おかめ納豆の納豆の原産地もなぜかアメリカである。正直ふざけんなといいたいが、これがアメリカのやり方なのだ。


まあいい。話がそれたが、ソ連視点で見た場合、そのスパイ活動の主たる動機がおおよそ e. 自身を保存するために相手との力の均衡を獲得するための手段、ということがおおよそわかるであろう。


それに比べ太平洋戦争での日本はどうだったか。


まず彼らがやったのは、「敵性言語禁止」である。つまり英語をなるべく使わずに、野球でも全部の言葉に日本語を使え、という政策であった。


申し訳ないが、馬鹿すぎる。


つまり、当時(最後焼夷弾や原爆で多くの無辜の民を敗戦で殺すことになるのだが)の日本がやったのは


「対米感情をとにかく悪化させること」

「根性論·とにかく戦争するんだ、異論を挟んだお前は内なる敵=非国民だ」

「状況を冷静に分析しないこと」

「若い仲間から殺すこと」

「アメリカとかまえること」

「自分たちは勝てる!と思い込むこと」


であった。これは自分の敵を見ないで敵と戦っているということである。

戦闘時の日本はこれだけ無茶苦茶で、


本当に勝つ気あんのかよ


って突っ込みたくなるようなお粗末なコンセプトだったのだが、平和時の外交についての世論でも


「とりあえず喧嘩すれば相手をやっつけられるだろう」(勝てる実力がないと無理)

「日本風なニュアンスで、それとなく含んで喋れば相手もわかってくれるだろう(外国人は日本のそのニュアンスなんて知ったこっちゃない、伝わらない)」


というのを繰り返している気がする。もちろん愚策であり、勝ちには一切繋がらない自己満足である。かまえることが必ずしも利益にはつながらないどころかリスクにもなるし、「挑発に乗る」ことが墓穴を掘るってのもわかっていない。


素人が一生懸命にメガホンで政策を語るってのは、とても危険なことでもある。


後者については、最後日本が原爆を落とされる決定的な原因となった「黙殺する」とかいうわけのわからない日本でしか通じないファジーな物言いで、これも自分の首を締めることとなった。


さて、敗戦敗戦とあまり楽しくないことばかり述べてきたが、この敗戦から学んだことがある。


脅威に対して、まず均衡をとること(e)


つまり、2. の状態を確保することである。


一つは、日米安保、最近で言えば集団的安全保障はバンドワゴンなのでこれはまあ基軸となるだろう。(ただ、これが中ソには脅威·挑発として映るので、それへのレスポンスとして彼らが挑発を返す.. のをさらにこっち側が脅威·挑発、ととる... のループになることはある。そもそもなぜロシアが最近になって北方領土で強硬な姿勢に出ているかは明らかにアメリカにびびってるからだろう)


もう一つは、脅威となっている国を徹底的に監視し、学習し、コピーし、均衡を維持することである。


美しい日本国民さんたちのなかでもとくにネットで悪目立ちしている方々は、ここをすっとばして竹槍でもつくりはじめる勢いなので、やっぱり一番怖いのは無能な味方なのかな.... という格言を思い出してしまう。


脅威を感じ、仮にそれが国際関係や地政学的なものに起因するものなのであれば、まずはその脅威のおおもとになりきること、つまり外国語学習というのはまず幼稚園生でもわかるような基本である。それを怠って、悪化させた感情を消費していても最後には負けて終わりなんじゃないか、むしろ国民がもっと利口でないと、いろいろな場面で負けてばかりになるんじゃないか、そう思うのである。


大昔、種子島のケースなどは脅威をまずはコピーして鉄砲をものにした。あの時代は優秀だった。


黒船の時も、明治維新で西欧をコピーし、脅威に均衡しようとした。


脅威を消費して青筋立てていても、最後には地獄に落ちるだけなので、個人的には他山の石としたい。そこには解決策がないから。