Friday, July 1, 2022

なぜ、マンガ家は「非実在青少年」の性表現にこだわるのか

 このトピック、何度も記事にはしてきたけれど、やはり執拗に活動家が政治家と結託して「漫画・アニメ規制」をしたがっているようなので、もう一度ここについて明確に説明しておきたい。

まず、マンガ家にとっての懸念は「非実在青少年のエロを描けなくなる」ことそのものではないし、この「非実在青少年」の性描写を肯定しているマンガ家が小児性愛なわけでもない。

これは、1億回繰り返すが、BL作家の女性がゲイとそういう行為をしたいと思っている・・・というのと同じく、滑稽な決めつけである。

マンガ家が恐れているのは、

「何を描いてよくて、何を描いていけないか」

を支配されることである。

これが一番恐ろしい。

いったん、「何を描くのはよいけれども、何を描いたらいけません」という決まりができると、表現は必然的に「法律」を忖度せねばなくなくなる。

これが、個人への誹謗中傷だとか、人種差別とか、そういうものであればわかりやすいが、

「未成年を性の対象としてみるような漫画を描いてはいけません」

というルールは、実際に相当「定性的」で、かつルール自体のもつ社会的な恩恵が「皆無」である。

(1)定性的である
極端な話、私の妻は今の平均的な小学生低学年とどっこいどっこいの身長だが、低身長な女性を性的に描写したら処罰の対象になるのか。紙の上に書かれた線の集合体をみて、何を未成年とし何を成年と判断するのか?そもそもなぜ未成年との性行為は禁じられているのか?それは「事理弁識能力」や「自己決定能力」のない(と社会で規定した)個人(=子供)に性的なアプローチをすることが「暴力」である、と社会で決めたからである。それは実在の子供の将来を奪うことであり、彼ら・彼女らの人生を破壊しうる。ゆえに禁じられているのである。
で、線の集合体(=エロ漫画)というフィクションを表現することで「誰が」「犠牲になるのか」?ゾーニングがすでに徹底されている現代、被害者は「主にヒステリーな政治セクトの大人たち」であって、子供ではない。

ここで特に注意しなければならないのが、多く「ディストピア的な」「エロの」漫画コンテンツに顔をしかめたり拒否反応をする大人そのものに、「モラル」とか「モラルの体系」、すなわち「思想」がないことだ。
というよりも、日本という共同体が普遍的に共有する「価値」は現在存在しないに等しい。我々は国教を(まがりなりにも)定めているか?日本国憲法は敗戦後に移植されたものであり、日本人という「思想」は少なくとも市井においては(そして政治家の間でも多くは)スカスカである。
なので、「これはけしからん」というのは、「普遍性を欠いている」。
日本人のもつ「倫理観」というのは、「周りの猿真似をする・周りの顔色をうかがう」という極めて機械的なもので、つまり集団監視があるので「わたしもそれにコミットすること」、これが日本人の唯一持っている「モラル」の基盤である。
欧米諸国が「エロ漫画」に拒絶的なのは「欧米諸国」のベースがキリスト教だからであり、日本がそれに追随する筋合いはない。(なぜなら日本はキリスト教国家ではないからである)
また、江戸時代の春画などあるように、もともと性表現に対してオープンであった文化風土が日本古来の歴史であり、「オープンな性表現を」「非倫理的である」と考える大人は、「ただの日本の歴史を知らない人」でしかない

(2)非実在青少年への性表現を規制することによる社会的な恩恵が皆無である

 子どもの被害率の上位10位を挙げると,高い順に,ベルギー,イギリス,イスラエル,ラトビア,フランス,ドイツ,ノルウェー,フィンランド,アイスランド,トリニダード・トバゴ,となります。ほとんどが先進国です。

「非実在青少年」のエロ漫画が日本より普及している国が上記か?という話である。

「日本は被害が上げにくい〜」という指摘は残念ながら「憶測の域を出ない」ので、事実(=データ)ベースで考えたとき「日本がとりわけ」子供への性被害が突出していないことが伺える。

ここで私の考察は以下である。

  1. ペドフィリア(ロリコン)含め、主に人間の性嗜好(ヘテロ・ゲイ・など)は後天的に決まるものではほぼない。(あなたがヘテロだとして、ゲイ雑誌を毎日読めば男性をレイプしたくなりますか?)

  2. ゆえに、「未成年への性的搾取」を扱ったフィクションが「男性一般」を「未成年」への「実際の」性的搾取に向かわせる「プロパガンダ」として作用するとは考えにくい(そもそもそれを裏付けるデータがないどころか、見る限り「逆」にみえる)

  3. 「非実在青年」への性表現を「禁止」し、日本に同じようにするよう働きかけている当の先進国が日本よりも「性犯罪の件数」・および「未成年への性搾取」の比率が「高い」

  4. 「非実在エロ漫画」を規制したがっている人々の全員が、「性エンタメ」が、「実際の性行為」を行う衝動やモチベーションを「消費者たち」から奪っている・・・という効用・側面を「無視している」

4.については以下の書籍などが参考になると思うが、

https://www.amazon.com/Demise-Guys-Boys-Struggling-About-ebook/dp/B00850HTHO

男性層が「ポルノ」に依存することで、「現実のパートナー」や「異性」への性衝動が劣化・低下してしまう事実(A)

もともと「未成年への行為を嗜好する性癖を持つ」潜在層に「それを満たすフィクション」を食わせることによって、彼らの「実在の」「未成年」への性衝動を劣化・低下させる事実(A')

この対比が、おそらく(日本の性犯罪の低さとあわせて)「エロ・エンターテインメント」がもたらしている効能の実際の姿だと思われる。

なので、

「この漫画は、未成年を性的に搾取している・・・けしからん」

という思考は反ワクチンとかに汚染されるのと同様、社会的にはどちらかというと有害なスタンスだと思います。

AV新法については「そこにリアルの人間」がいるので賛否両論についてはとくにここでは触れませんが、

漫画やアニメは「被害者が存在せず」、性犯罪の件数などからも「エロ漫画が性犯罪を誘発するプロパガンダ」であるという事実を導くのも相当無理があり、

ただただ日本のマンガ業界・・・技術も経済も軍事も全部隣国に劣っている日本が唯一もっている「文化的優位性」を踏みにじり、日本を後退させるという結果になると思っています。

エロ漫画はなぜ必要か

一つは、さきも述べたとおりこれが「囚人のジレンマ」の効果と、「性衝動」の低減の効果をもつからです。
素質的に未成年を嗜好する男性が、
(1) フィクションで満足できる+罰せられない
(2) 実際の被害者で満足できる+罰せられる
の二つのオプションから、(1)を選択するように交通整理する、これが「性エンタメ」のリアルです。
だから、戦地でも現場での性暴力・犯罪をなくすため、兵士には高度なポルノが必要です。

だから、「非実在青少年」の性描写を「殺そうとする」人たちは、まあ歳をとっていて頭が悪い(政治家)というのもありますが、
(1) フィクションで満足できる+罰せられる
(2) 実際の被害者で満足できる+罰せられる

だと(2)によりボルテージがかかるよね・・・という現実を理解できない・・・ということになります。

また、例えば私も同人活動などで、漫画家としていわゆるエロCGなどを描いたりするわけですが、

「非エロ」での女性キャラクターの「色気」とか「美しさ」って、
「R18」の表現を積み重ねた技術の集積の延長線上にあるんです。

だから、漫画で女の子をかくときも、頭の中でくるくる女性の体を立体で回して、一番「魅力的な」ポーズをつくれる、

そういうのは、結局芸術とかアートですし、

そういうアートの根源が「R18」ですから、

それらは地続きになっていますから、

「基礎研究はやったら罰するけど、応用はやれ(クールジャパン)」
とか、
なわとびもスパーリングもミット打ちもするな。でも試合では勝て」
みたいな、

すごくナンセンスを言われているわけです。

だから、R18(非実在未成年うんたらも含む)という、「汚い」土台にバルサンを炊けば、「日本の漫画・アニメ文化」自体が周辺の国と同じレベル、いや、(日本はクリエーターに投資してないんで)「それ以下」になる可能性すらあるのです。

いい加減、自分のきらいなものは世界から消えてしまえみたいなのよくないです。

結局、外国にいわれて、外国に圧力かけられて、やるわけでしょう。

そういう芯のない土管みたいな国民性、結局アメリカに敗戦する原因にもなったわけですが、

本当に日本文化を踏みにじるのはやめていただきたい。

「非実在未成年」が禁止されたら、

次は「BL」、次は・・・・・


まあ、そんなかんじで。

赤松先生、がんばってください!




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