この話題について、先日家族と話していた。
個人的に核心をついたトピックだと思うのと、隙あらばブログを書いてPVを稼ぎたいという私のミーハーな心が合わさり、この機会に個人的な見解を改めて文字としてまとめたいと思う。
私個人の見解では、プログラマーの仕事はAIに置き換えられることは、少なくともここ10~20年はないだろう、
というのが私の見方である。
理由としては、
顧客(政府とか)のリテラシーが、一般的に低いため
かつてより提唱されていたNO CODEなどが、プログラマの仕事を奪う気配がない(ここ10年でそういう実績がない)
AIはプログラマの雇用を(逆に)増やす
社会の合理性が低いため
プログラマが淘汰されるのは、おそらくは別の要因(不景気など)のほうが現実的だろう
私個人のアイデンティティとか、そういうことでいうと、私はプログラマーをいやいや10年続けてきた(恥ずかしい)たちなので、どちらかというとプログラマー不要論には同調したくなる自分も(感情的には)いるが、おそらくここ10年、20年といったスパンでの(特に)日本社会の動きを定点で観測していったとき、おそらくそれは highly-unlikelyだろうと思われる。
顧客(政府とか)のリテラシーが、一般的に低い
具体的なユースケースとして、例えば日本は高齢社会に突入しており、社長などステークホルダーの多くは(多くは、というと過度な一般化だろうけど)ITリテラシーが低い。
よく考えてほしい。ハンコを押すか押さないかで悶着したり、IT担当大臣がUSBを知らない・・・みたいな世界線が日本の政治なのである。
よく考えてほしい。e-govは使いやすいだろうか。
よく考えてほしい。日本のPOSまわり、なんであんなに決済方法が乱立しているのか(そしていろいろ規格が統一化されていないのか・・・・)
「日本人が」という言い方はあまりしたくないし、そういう十把一絡げの解像度の言い回しがもつ誤謬というのを織り込んだとしても、やはり日本人は・・・日本の企業人は「削る」ということができない人はかなり多い。
あれもほしい、これもほしい。あれも実装したい、これも実装したい。
そうしてゴチャゴチャしたUIと脆弱なシステムができあがる、そういったIT現場がゴロゴロ存在するのである。
こういった「仕組み上の」エントロピーというのは、例えば国が発注した案件を多重受けしていく仕組みにも見て取れるし、さきのオリンピックなどでの素晴らしく効率的な予算配分を見ても見て取れる。これが日本なのである。
そうすると、そういったリテラシーの低い人々(でかつ意思決定の権限の高い人)に上手く食い込めば、仕事は潤沢に手に入る。
wordpressやzoom、Slackなどのググレカス、的な程度のことも、コロナでのDXとかの流れで
「zoomコンサル」
「Slackコンサル」
などといった仕事が爆誕するのが日本の中小零細企業のリアルなのである。
それの9割は、必要のない淘汰されるべき仕事だが、それは仕事として存在している。
そして、WordPressで自社HPを創る、という簡単な過程をわからないおジイチャン社長のために、HPを100万で請け負う、それもまた仕事なのである。
つまり何が言いたいかというと、社会の意思決定がメリトクラシー的、ある程度スマートな人に実行権限がいく、という仕組みが日本の企業の隅々まで徹底されないと、洗濯板で洗濯代行サービス、で飯を食える人材は一定数存在できる、ということを意味する。(日本社会にとって長期的にはよくないけど・・・)そして、それはAIに業務を置き換えていったりすることとは真逆の動きである。
かつてより提唱されていたNO CODEなどが、プログラマの仕事を奪う気配がない(ここ10年でそういう実績がない)
NO CODEだけに限らず、いわゆる南アジア(インド)の安い人材にどんどん仕事を取られるだろう、国際競争が云々という議論がすでに太古の昔に行われてはいたものの、現実問題としては「ITエンジニアは不足」という事態を迎えた。
これは先に述べた「ビジネスサイドのリテラシー」の問題もあることながら、自動化やシステム化の先に、さらに新しい自動化やシステム化の要件がどんどん出てくること、
また、車輪の再発明というのはよく企業では行われていることである。
決済プラットフォーム一つとっても、StripeやPayPalだけの独占ではなく、これらをベンチマークしたサービス(企業)が乱立し、彼らが競い合っている。そうするとそれらの企業で抱えたエンジニアたちには常に仕事がある・・・というかんじである。
そして、ブロックチェーンのブームが起き、また近年特に激化しているロシアからのサイバー攻撃への対処など、ITにまつわる問題は山積みであり人材は常に不足しているわけで、ITエンジニアが路頭に迷うのはなかなか難しいことではある。(ただし低スキルであればこの限りではない)
AIはプログラマの雇用を(逆に)増やす
AIはプログラマの雇用を増やすと思われる。これはAIそのものを開発しないといけないからである。そのため、ITエンジニアとして今一番ホットな現場は「セキュリティ」「ブロックチェーン」「AI」となっている。
AIそのものは広義な概念であるとはいえ、例えば個人のブラウザ履歴、およびサイト上での行動などのデータ収集から個人により刺さるプロパガンダ(商品宣伝)を行うこと、顔認識、など今後もIT技術で解決できる要件が増えていき、その要件が膨らめば膨らむほどITエンジニアの需要は増えるのだと思われる。
だから、例えばAIのもつ最も直近の脅威は
事務が要らなくなる
レジの人員が要らなくなる
税務署や役所の人員の大量解雇
警察官(ないし軍人)がドローンで半分くらい置き換わる
など非プログラマの仕事をまず食う、というのがおこる(現に起こっている)ので順番としてはまず「非プログラマ」だろう、ということが考えられる。
ただ、これも先に述べたとおり(皮肉ではあるが)ビジネスサイドのリテラシーが低かったり、(顧客)高齢者が多いことで、AIによる快速の置き換わり、というのは難しいと思われる。
プログラマはおそらく最後だろう。(50年後かな?)
社会の合理性が低いため
繰り返しになるが、(特に日本)社会の合理性が低く未だにハンコで悶着しているような風土があり、この機動性の低い社会風土で簡単にAIが浸透するかどうかは不明である。
もちろんこれは人間の既得権益を守っている・・・ということにもなるが、減っていく人口の中でこの点については中国の後塵を拝している、ということしか言えないのかな、とも思う。
また、日本の場合電力不足(エネルギー自給率)の問題もこの「電子化」「AI化」にすべての舵をとることを妨げているきらいはある。
そして、スマートカー・スマートキーなどの脆弱性(物理であるよりもハックが現実的で容易な側面がある)によって、必ずしも「デジタルしか勝たん」ではなく、これらAI(とかIoT)にも当然として問題があること、そしてその問題を解決するのはプログラマになるのである。
ここまでつらつらとプログラマ擁護のようなことを書いたが、
プログラマが淘汰されるのは、おそらくは別の要因(不景気など)のほうが現実的だろう
アップルなどGAFAMが最近新規雇止めや大量レイオフなどを実行した事例をみていると、プログラマが恐れるべきはAIとかインド人ではなく、
「不景気」
である。これに対処するにはスキルセットを増やしていき現場が途切れなくする、PMなどの役割にジョブチェンジする・・・など選択肢はたくさんあるが、どちらにせよ脳死状態で一つのことをやりつづけていればよい・・・ということではないだろう(相当な一流でない限り)
と、ここまで個人的な意見でござんした(もちろんわしの主観とか誤謬もあるとおもいまふ)
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