Friday, May 6, 2022

ASMRを売っていて、わかったこと。

 弊社のASMRが、わりと一定のペースで売れてきており、去年の9月より取り組んでいていろいろと気づきがあったので、簡易的な備忘録である。

ASMRの顧客層

明確に顧客属性を分析するための確かな情報がないが、おそらく独身男性・オタク男性が多いと思われる。これは同業者の売り方からも然り。いわゆる、インキャ男性である。(揶揄の意図はない。例えば、アイザック・ニュートンもインキャだったと思われる)

ASMRのペルソナ

独身インキャ男性が、おもにR18の欲求によってASMRを消費する動機性とは何か?そもそも、性的欲求の捌け口であれば、ソフトオンデマンドが一番効率的であろう。なぜ、そこに漫画や、はたまた音声のみ・・・というフィクションを求めるのか?これは、個人的な分析によると、「直接的な異性への対峙への恐怖心」であり、つまり例えば乙女系(腐女子)がホモセクシュアルを通じて男性を性的消費するように、かれらにとってこの「間接性」は重要な必須条件なのである。(anime-ness matters)

つまり、彼らは現実の恋愛史上において、つまり恋愛という対人関係において問題を抱えている。それはある意味では心理学的コンプレクスでもあるから、彼らが異性との接触・・・それは性的接触であろうと、そうでなかろうと、その報酬系を得るための方法として、「間接的」であることは重要なのである。
ここで、ASMRも、その部類に属する。それは、例えば映像が抽象化され、映像が隠されているが故に彼らにとってはより親近感のあるものなのである。これらを恋愛要素として捉えた場合(2000年的なノリで言えば)「萌え」なのだし、つまりASMRは音声として、そうなのだ。

ASMRと偽悪性


はじめにわたしが考えたのは、ASMRと偽悪性が相性がいいのではないか・・・ということだった。僕たちは皆が皆ディズニーやワンピースをみてパンでないもの全てを満たせているわけではない。それは架空の綺麗事の世界であって、この世に存在する人間・・・・そのなかでもオスは、とても表には出せないような様々なルサンチマンや欲望が渦巻いており、これを、一部の過激な政治セクトの方々は「一掃すれば社会がよくなる」と勘違いされているのだが、世の中をよくするために必要なのは、「これら現実の欲望をいかに恰も無いように振る舞うのではなく、いかに交通整理するか」なのである。このロジックを捨てた先にあるのは、おそらくは一層の治安の悪化・過激化・・・である(日本と諸外国を比較したときに)

つまり、秋葉原の・・とある同人タワーの一角を散歩すれば、階層があがるごとにジャンルがマニアックになっていく・・・・それは、昆虫プレイとか食糞みたいなグロテスクなものも含めて、人間の欲望の多様性は把握できないし、それらの欲望を正確に捉えるというのは、それはビジネスとしては一つの正解だと思われる。

ここで、私は一つの仮定を行った。
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  1. ある種類の男は、異性を攻撃し、支配することに「性的」カタルシスを感じる。

  2. ある種類の男は、異性に攻撃され、支配されることに「性的」カタルシスを感じる

  3. ある種の男は、異性に「褒めて、肯定して欲しい」

  4. ある種の男は、異性に「同調され、寄り添って欲しい、慰めて欲しい」

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これらの欲望のカテゴライズのうち、より前2者は「偽悪」の形をとる。
これら人間のもつ欲求とカタルシスを、ASMRでバーチャルに再現することで、特定のパイを獲得できるのでは無いか・・・と考えた(またこれらは、とくに中規模以上の会社では「パクリ」によって追随することは不可能である、ナターシャ・ポミュスキーは毒抜きされた挙句パクられた)

リソースの限られた会社や事業体が競合他社のある中で生き残るのはそうそう簡単では無いし、そういう意味で競合他社の「死角」としての偽悪的なコンテンツに手を出すのは実験的な試みではあったが、少なくとも現時点で「惨敗」ではなさそうだ。

よい声優の見分け方


いろいろな声優さんと仕事をしてみて、やはり技量の高い声優さんと、そうでない声優さんがいる。
前にひろゆきが声優はどれも読み上げるだけだから同じ・・・的なことを言っていたが、それは完全なる誤解であって、声優の能力というのは本当に個体差があり、これは俳優女優と変わらない。(声のみ・・・というところ以外は)

よい声優さんは、言葉が言葉でしかない・・・ということをよく知っている。つまり、「読み上げる」ような読み方はしない。
よい声優さんは、相当魂というか感情を乗せてくるので、それがどういった感情反応であっても、例えばそれが日本語じゃかったり支離滅裂なスクリプトであったとしても、きちんと感情が伝わる。

これは重要なことである。

特に、巴パインさん、佐倉いのさん、ありがた〜い私さんなど(その他も沢山いるが)私が最低でも2回目の案件をお願いしている声優さんは何かしら頭ひとつとびぬけたところがある。

つまり言葉っていうのは、それは記号でしか無い・・・から、記号でしか無い言葉を記号として使うというところにはただの無味乾燥な空(void)しかないのであり、言葉というのは魂の呼び水だから、

例えば、カスハラを受けたときにいかに「自身の脆弱性」を「性的魅力」としてデモンストレーションするか・・・といったことを、「さらっと」やってのける声優の実力って並大抵じゃ無いんだってこと、

これは、MだけではなくSでもそうで、とくにSMというのはより「技術が要求され、それゆえに曖昧な読み上げが通用しない」ジャンルのASMRになるから、ここをパスできるというかここで一定のクオリティを出せる声優さんは本物だと思う。

なので、まあ凡庸な、動画のタイトルをみて動画をみずにお説教の長文コメントを書くような大人たちからすればけしからんで終わるようなコンテンツかもしれないが、

ものすごく技術とセンスの結晶だということ、声優さんの能力をこれでもかと体験できること、

非常に、おすすめでござる。

エロを笑うやつは、アートの能力値が低い。

エロに、アートは宿る。

ということで:

よろぴっく〜

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