著者はもと SCL → C.A (Cambridge Analytica) のキャリアで、Donald Trumpを当選させるための工作を行なった関係者の一人だ。
彼の提供した大量のドキュメントから、いかにしてSNS(FBやツイッター)を使ったプロパガンダ・洗脳をCAが行なったか(そしてそれのバックにロシアのエージェントがいたこともここでははっきりと書かれている)が具に書かれている。
SCLの実績としては、パキスタンのテロを潰したり、南スーダンの武力勢力の武装解除を行なったり、ラテンアメリカでの人身売買を阻止したり... といった輝かしい功績もある。(つまりイギリスの軍部の直接的なコントラクターである)
C.Aにここが買収?されてから方向性がさらに変わったというか、ロシアが関与した不正な大衆のアジテーション(つまり洗脳)が行われたこと。
つまり情報兵器である。
兵器の特徴として、
(1) payload (攻撃主体)
(2) delivery system (輸送手段)
(3) targeting system (照準手段)
が挙げられている。
ミサイルであれば、
(1) 核弾頭や爆発物
(2) ミサイルそのもの
(3) 熱感知をしたり人工衛星と連携する追尾装置
これが情報兵器になると、
(1) ストーリー(人々を怒らせたり恐怖の感情を抱かせるような噂・陰謀論(rumor))
(2) SNS
(3) 機械学習による個別にみせる情報をかえること、また、作られたハッシュタグやトレンドなど
そして、最後に本人がはっきりと明言している、
web-fueled radicalization (インターネットで焚きつける過激化)
こうして、政治的に過激な考えをどんどん増長させていくような人間を量産するのである。
ここ最近のいわゆる「反安倍」的なお祭りや、それよりも数倍深刻な
老人の右傾化・過激化
はそもそもシリコンバレーとか特定の意図を持ったマイノリティによって焚きつけられ、操作・洗脳されている。(と当の本人が暴露しており、ザッカーバーグが吊し上げを食らったのは記憶に新しい)
また、日本では老人の割合が高くなり、老人の多くは偏見なく幅広い考えを比較検討してバランスを保つよりも、単純なバイアスに飛びつきやすく、基本頑なである。
つまり洗脳して世論をあやつるための頭数としてはとても都合がよく、まあ彼の本に書いてある通り、「アレキサンダー大王は被支配国を露骨に略奪するのではなく、文化的イデオロギー的に同化させて自分の一部にしてしまう」、と書かれているので、まあアメリカの片棒を担ぐアメリカの犬(脳まで)というのは今後も変わらないんだろうな、と少し悲しい気持ちにもなる。
とにもかくにも、理知的な人間は、洗脳されたり踊らされたりするようなことは避けたいものである。
一つの考えに凝り固まると世界全体は見えないし、自身のドグマに拘泥していてもどんどん泥沼に入っていくだけでオーディエンスはつかない。
なにより、高齢者であれば人生がどんどん浪費されてしまう。
バカに陰謀論を食わせてモビライズし、国や人種へのヘイトを加速させることは日本に住む外国人や国際結婚カップルにとっては非常に深刻な事態で、そういうものとは戦わなければいけないと思う。
(僕の子供にも関わってくることだ)
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