Monday, October 12, 2020

ポエム

 滴る水が葉脈を鶯色に光らせる 燻んだ瑪瑙とジーパンのようなトタン

目を見張る白い乳色の蜜が樹木より流れ出て 虫たちが喉を潤している

風の匂い。透き通った空気をガムのように咀嚼する 土を踏みしだく。数多の生物たちよ

心から笑った。いつぶりだろう。 君はいつも可憐で、白い翼を休めている。

男女が惹かれ合う。まるで子供が、ショー・ウィンドウ越しに宝石のおもちゃを眺めるように。

君の一挙一動は、映画のワンシーンみたいさ。ピグマリオンの具現化したような繊細な指。

高嶺の花。眺めとかなきゃ。麗しいすみれに蝶が停まるように、

つまらない僕は。その花に吸い寄せられた。


自己採点の低い個体は選好性の対象にならない。ここは競争社会。

みんな身の程をしらない夢をみて、川のように流れていく。

感情を消費したが、藪の中の羽虫みたいに、僕は死んだんだ。その他大勢として。

土に還り、分解をまつ。

それは恐怖じゃない、元に戻ることは平安。

宇宙と一つになる。僕は無という神秘に戻るんだ。


そう念じて目を閉じた。

本質的に人間は孤独だから、孤独を噛み締めて毎日をただ生きるしかない。

時間を消費して壊れていく悲しい動物。

でも、僕に手を差し伸べてくれたね。

君のうしろに光が見えた、君はあるときは小さな火山で、あるときはまるで3歳の女の子だ。


愛しているよ。


ちび

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