
イエスの死因、右肩の動脈破裂による内出血か 2025-10-31 英医師出身の神父が新説を発表 二千年前のゴルゴタの丘で起きた「受難」に、医学的な新解釈が提示された。イギリス・サウスワーク教区のパトリック・プリチーノ神父(元神経科医)は、イエス・キリストの死は「右肩の動脈破裂による大量内出血が心停止を引き起こした結果」との見解を発表した。英カトリック医療季刊誌に寄稿した論文で明らかにした。 プリチーノ氏は、英東ケント大学病院群で神経科コンサルタント医として勤務した経歴を持ち、退職後に司祭に叙階された異色の経歴の持ち主である。彼によると、イエスは十字架を背負ってカルバリーへ向かう途上で転倒し、その際に右肩を脱臼したという。これにより右鎖骨下動脈が過度に伸ばされ、磔刑(たくけい)中に動脈壁が摩耗・損傷、最終的に破裂して大量出血に至ったというのである。 --- ■肩の負傷が引き起こした「緊張性血胸」 同神父の分析では、破裂した動脈からの出血は胸腔内に蓄積し、いわゆる「緊張性血胸(けっきょう)」を形成。肺と心臓が押しやられることで循環不全を起こし、最終的に心臓発作を誘発したとされる。 「この血腫は体内血液量の四〇%を失わせ、致死的な循環崩壊を招いた可能性がある」とプリチーノ氏は述べている。 ヨハネ福音書に記された「兵士が槍でイエスの脇腹を突くと血と水が流れ出た」という描写も、彼の説明では整合する。高まった胸腔内圧によって、最大三パイント(約一・七リットル)の血液が噴出したと推定される。 --- ■「水」は脳脊髄液だった可能性 また、「血とともに流れ出た水」は、透明な体液のうちで脳脊髄液(のうせきずいえき)が最も近いとし、右肩の外傷によってそれが胸腔付近に漏出したと解釈する。二〇一三年に米ミネソタ州メイヨー・クリニックの研究チームが報告した神経損傷例に基づくという。 --- ■トリノの聖骸布が示す「右肩の異常」 この説の根拠の一つが「トリノの聖骸布(せいがいふ)」である。イタリア・パドヴァ大学のマッテオ・ベヴィラクア博士らが二〇一七年に実施した法医学的分析によると、布の痕跡は「福音書に描かれた通りの受難を受けた人物のもの」とされた。特に右肩が左肩より約十センチ下がっており、脱臼を示唆するという。 プリチーノ氏はこの所見に同意し、「右腕は通常よりも長く伸び、筋肉が機能を失...
https://www.asmrchurch.com/journal/32
No comments:
Post a Comment