恐竜、聖書に書いてなくね？ 2025-10-31 ― 聖書に記されていないことは否定の根拠になるのか ― 秋田や北海道の山地を歩くと、時折、岩の層の中から巨大な骨の化石が掘り出される光景に出くわす。数千万年前、この地球を闊歩（かっぽ）した巨大生物──恐竜。彼らは太古の空と大地の覇者であり、やがて絶滅した。科学はそれを「進化と滅亡の歴史」として描くが、一部では「聖書に恐竜が記されていないのだから、実際に存在したかは疑わしい」との声もある。 では、本当に聖書の記述の有無が、恐竜の存在の是非を決める基準になるのか。本稿では、科学的証拠と神学的視点の双方から検討する。 --- ■ 化石が語る「実在」の確度 恐竜が実在したとされる第一の根拠は、全世界で発掘される膨大な化石資料である。骨、歯、卵殻、足跡といった痕跡が、ほぼすべての大陸で確認されている。ロンドン自然史博物館は、「歯や骨格、卵の化石、足跡などの具体的証拠から、恐竜の生態や行動を科学的に再構成できる」と解説している¹。 また、ウィキペディアの総覧によると、現在までに記載された非鳥類恐竜はおよそ900属以上、種としては1000種を超える²。これらの化石は、明確な地層・岩層中に埋没しており、偶然の産物ではない。 近年の発見例として、2025年8月には米テキサス州で洪水により約1億1500万年前の恐竜の足跡が15個露出したと報じられた³。また、ニューメキシコ州では「恐竜は絶滅直前まで繁栄していた」とする地質学的報告が発表され、従来の「衰退説」を覆した⁴。 これらの事例が示すのは、恐竜が空想上の存在ではなく、地質学的証拠に裏付けられた実在の生物群であるという事実である。 --- ■ 科学が描く恐竜の「時間軸」 放射性炭素やウラン系列による放射年代測定、層位学的分析により、恐竜の化石は約2億3000万年前から6600万年前の地層に集中している⁵。これにより、恐竜の時代が人類出現（約20万年前）よりはるか以前であることが明らかになっている。 進化生物学の観点からは、鳥類が恐竜の直接の子孫であるとされ、フラミンゴやハト、ハチドリまでも「現存する恐竜（avian dinosaurs）」と位置付けられている⁶。つまり、恐竜の存在は過去の化石の中だけでなく、今日の生物多様性にも形を変えて残っている。 --- ■ 「聖書に出てこない...
https://www.asmrchurch.com/journal/31
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