これ、ちょくちょく漫画表現なんかの規制意見なんかとセットで語られることも多くて、個人の見解を述べておきます。
#性暴力 をエンタメにしてはいけない
というのは、半分正しくて、半分間違っているよ、というのが個人の見解です。
まず、エンタメ(娯楽)は、上記のコンテクストで話す場合ふたつに分割されます
(1) 実際の人間を「搾取」することによって消費される娯楽
(2) 虚構を「搾取」したと「騙す」ことによって消費される娯楽
です。そして、これは何度も繰り返し述べていますが、我が国における合法な範疇でのポルノや、漫画、ASMR作品というのは(2)になります。
エンタメはフィクションであり、表現の自由の最後の砦であり、ゴミ箱なのです。
「エンタメはこうあるべき」という世論を醸成することは非常に危険で、極端にいってしまえば北朝鮮のようになってしまうでしょう。
(1) 実際の人間を「搾取」することによって消費される娯楽 は、事実
(a) (1)の過程で犠牲になる被害者が発生する
(b) 供給側に加害行為を継続的に行う経済的・その他のインセンティヴを発生しうる
の2点によって「ありえない・犯罪である」と結論づけられます。
しかし、
(2) 虚構を「搾取」したと「騙す」ことによって消費される娯楽
の場合の実情は違います。
これは、「落書き」や「文字の羅列」や「実際には性行為を行なっていない成人女性の演技」によって、(AVの場合「無理矢理やらされている」、という感情の表現を意図的にしている女性の演技によって)
対象ユーザーに
「加虐行為をしている」
と錯覚させるためのものです。
そして、この「加虐行為」を欲するような「危険」な男性の人口(これはセクハラも含む)をドラスティックに削ることは、不可能でしょう。(通りから悪の表現を一掃すれば、悪がなくなるわけではありませんし、むしろ裏に潜ってさらにわかりにくくなるだけです)
不可能ですし、たとえばポルノ(=虚構)というクッションを社会から排除することによって、
そこに彼らの欲望の「ぶつけ先」が消失し、
彼ら(危険な人口)は抑圧され、
より「現実の女性」がターゲットにされうる、ということだと、少なくとも日本のようなサブカル(AV含む)に寛容な国とその他を比較すると、考えられます。
なので、
「このような反社会的な表現は許してはならない」
というのは、実際に懸念されている社会的な問題の解決にはならないと思います。
いわゆる「性犯罪」もののフィクションで提供側が客層に訴求したいのはその際の女性の「リアクション」とか「感情消費」であり、
これらの「リアクション・感情消費」の部分だけを、ポルノ提供者は抽出して、あとはフィクションで固めて提供しているわけです。
つまり、女性に危害を加える、ということ自体はここでは問題になっていないし、発生してもいない。
問題は、そもそも人間の「実存=現実」である「歪み」「悪の欲求」のソケットに虚構をあてがってあげて興奮してもらい、お金をもらう、ということをしているわけであり、
そもそも「人に危害を加えてはいけない」という、5歳の子供でもわかるような常識は(むしろそういう産業に関わっている人間の方が)コンプライアンスとかギッチギチにやっているわけです(そうじゃないと女性と一緒に継続的に仕事なんてできないので。信用第一なんで。)
漫画でいえば、例えば「外道の歌」という、犯罪者を私刑に処して拷問する、それによって読者にカタルシスを与える漫画がありますが、
あれも、ある意味では「暴力ポルノ」で、現実には到底許されない、社会的規範から逸脱された行為を妄想して(疑似体験して)楽しませているわけですから、
まあ彼ら(FRAUの記者さん)からすればけしからんわけです。
何度も繰り返しますが、エロ漫画家や秋葉原のアングラカルチャー周辺でせこせこやっているのは、
「フィクションで消費させて」(結果として)
「現実で消費させない」
という高度なことをやっており、
これについては既存のAV業者の企画ものに携わる人間の共通認識だと思います。
女性の性が消費される、
ということがけしからんことだよね、
ということは、5歳の子供でもわかる常識なわけですが、
それとエロ漫画や(合法な)AVは基本的に関係ないというか、
むしろそういう「フィクションと」「現実を」ごっちゃにしているような人が政治家や、FRAUの記者の方などに散見されて、
個人的には複雑な気持ちになりました。
また、「囚人のジレンマ」的な社会的合目的性も看過されていて、
(加害の素質ある個体にとって、[1] 制裁100、の実在女性への加害行為 と [2] 制裁0のフィクションの消費行為 のどちらを選ぶか、で[2]に誘導していく)
ということがそもそも議論の俎上にあがらないのも、お粗末だな、と思っています。
もちろん、例えば「性犯罪被害者の人が」「自分のトラウマ経験に合致するような情報をみざるをえない」というケースについてはアウトだと思いますが、
そういうことのためにゾーニング(R18とか)があるわけですし、
まあボタンの掛け違えというか、
「世界には綺麗なものだけがあるべきで、汚いものは全部あってはいけない」
みたいなドグマは、
治安を悪化させます(日本とその他の国、比べてみてください)
私からは以上です
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