https://www.stop-u18sos.metro.tokyo.lg.jp/case1/
ツイッターでこのような広告が流れてきて、エロ漫画描いてる身としてはきちんと自分の考えやスタンスを述べておくべきだと思ったので、まとめる。
ここで、成年女性のパパ活についてはまあデリヘルのフリーランス化だという認識が(少なくともシステムとしては)あり、ここでは取り扱わない。
東京都が一番問題視しているのは「現在、パパ活というかたちで未成年への性的犯罪が増加し、見過ごせなくなっている」、そのためにこのような広告をうったのではないか、と理解する。
まず、
(1)未成年への売春はいかなる理由があっても、違法である。これは援助交際が違法だ、といっているのと同様で極めて常識的。
(2)一部「売る側にも同等の処罰をしろよ」というリプライが散見されたが、これはいくつかの意味でやばい。それはこの発言の主体が「実際に未成年を機会があれば搾取したい」と能動的に考えている(か実際に何回かやっている)可能性(=自己弁護)と、もう一つは「未成年を自分=大人と同一の事理弁式能力がある」という錯覚のうえで話を展開している点で、筐体に比して心が「幼稚」であり、未成年を実際の性的なターゲットにしうるから。
(3)ツイッターでの啓発は一部の潜在的中間層には効果があるが、実際は弱いと思う。本当に効果的なのは、SNS提供事業者、例えばツイッター社に直談判して個人特定やトラッキング、DM内容のスクリプトによる精査などの高度な機能を実装してもらう・・・などのちょっと力技が必要
(4)エロ漫画のクリエイターはこの潜在的な層の「欲望」のソケットにダミーをつっこんでお金をもらっているので、エロ漫画でのパパ活などの扱いにまで規制をかけると、実際の未成年搾取の潜在層は「先鋭化・悪化する」可能性がある。(性のキャラクター化、というのは、実際の性犯罪との因果関係を語る上では非本質的であり根拠に薄い。なぜならアメリカでも未成年へのSNSでの搾取も目立つので)
(1)まずこれについては問題ないと思う。なぜ違法か、というと未成年は自分で自分の性的な決定をするだけの判断能力がない、というのが社会の共通合意だからであり、これについては一切問題ない。これはこれまでもそうだったし、これからも変わることはない。
(2)「パパ活は売る方にだって責任があるから、売る方も処罰しろ」はちょっと根拠に乏しいというか「危険」な発言である。なぜなら、こういうふうにも受け取れるからだ。
「俺はパパ活した(い)けど、なんで俺だけ処罰されなきやいけないんだよ。相手の女(ここでは未成年)も同罪だろ」
これは実際に未成年に危害を加え(う)る主体の自己弁護のように聞こえ、ちょっと「やばい」な、と思う。
(3)買う可能性がある(と都が判断した)側にこのような広告をはるのは、啓蒙活動としては良いと思う・・・が、スーパーの万引きGメンの件と同様、実際に買ったこともなければ買う予定もない、「白」の層にとってはちょっとこういう広告はバカにされているようで気分はよくない。また、本質的にはツイッターなどが日本の治外法権にある、というところで警察側としては捜査が(少なくとも)結構面倒である・・・というところの歯痒さはあるのだろうと思われる。が、根本的にはツイッターのDMをスクリーニングしたり監視したりそもそも関係性の薄い成人と未成年がDMできる・・・という環境自体を「システムレベル」で潰さないとこの手の黒い行為を潰すのは難航するのではないか・・・・と思われる。(未然防止がしにくい)
(4)ただ、一点都のプロパガンダとして「性のキャラクター化」と述べているところにすこし気持ち悪さ(早苗ちゃん?)があり、ここについては僕らの意図や実際の生態系を実際の「パパ活」と混同させているのではないか?という意味ではとんだとばっちりだな・・・と思っている。
(a) まず、未成年の性行為を取り扱うエロ漫画家が必ずしも未成年への性的嗜好を有しているわけではない。
これは、BL作家の女性がホモとそういう行為をしたいと思っている、という決めつけと同じくらいには「ひどく雑」な仮定である
例えば私のケースでは、エロGIFを販売するときの「釣り」として「パパ活」「JK」というワードを盛り込むが、これは「そういうワードを喜ぶオタク層が多いだろう」と見込んでPVを稼ぐための手法として使っており、そもそも二次元での性的なコンテンツそのものが本当に中長期的に実現したい表現ではない。
そして、未成年の性行為を取り扱うエロ漫画やそれに準ずるコンテンツは、「潜在的にそういう嗜好をもった大人」の欲望の「ソケット」に「落書き」とか「未成年に扮した成人のおねいさんの声」をあてがって「行為の達成を」「錯覚させてあげる」という高度なことをやっており、未成年との行為を推奨しているわけでも、実際にそれを斡旋しているわけでもない。
本質的にやっていることは落書きを売っている、というだけである。(なのでそれは行為ではなく表現に過ぎない)
また、これはFANBOXのVIP会員様には詳しく話したが、例えばナターシャ・ポミュスキーはもともとはAlex Robinsonというオレゴン州立大学在籍時の同級生(女子大生)をモデルに、彼女をいろいろカスタマイズしたものであり、そもそも実在にマッピングされる本人は女子高生(未成年)、ですらない。
お役所で働く人はそこまで柔軟な発想をしたり社会の包括的な最適解がみえるほどに頭がよくないから、おそらくこれらをまぜこぜにして
「未成年搾取の悪」
としたいだろうが(早苗ちゃんも含め)
本質的には大昔に絵師が春画をせこせこ作って売っているのと、変わらない。
そこに未成年は存在しないが、
「未成年の記号をあえて作ることで」おっさん達からお金をいただく、
「人間を直接使用しない」売春である。
なので、まとめると、
未成年への実際の搾取が許されるとは到底思わないし、その社会課題が解決されることには200%賛成だが、
社会から汚いもの(おもにサブカルチャー)やグレーな表現にまで規制をかけたりそれらを「純犯罪」扱いすることは、
のちのち、社会全体でその代償を支払うことになると個人的には考える。
(潜在的な犯罪層からダッチワイフをとりあげて、過激化させる・・・・というように)
人を噛んでしまう犬に、人の足の代わりに骨をあてがっている・・・・
じゃあその骨をなくしたら・・・・
というところまでの社会的な影響を考えず・・・・エロ漫画(作者)を吊し上げる・・・
というのはどうなのか・・・・
なんでもかんでも焼畑にすれば社会が良くなるっていう思い込みは、
外国と戦争すれば絶対勝てるっていう思い込みくらいには、ヤバいですよ。
まあよく考えてください。
早苗ちゃん。
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