Monday, January 11, 2021

ドナルド・トランプのツイッターアカウント凍結について

トランプのツイッターアカウントが凍結された。Facebook, Instagramなども軒並み凍結された。Parler (保守系専用SNS)もサービス自体が Apple Store、Google Playからはじき出され、さらにこのサーバーを保有しているAWSがParlerを締め出した。


シリコンバレーがドナルドに対して牙を剥いたのはなぜだろうか?理由はいくつかに分解できる。


(1) ドナルドの「虚言癖」が民主主義に「害」をもたらす(してきた)こと

(2) Facebookの過去の C.A. を経由した不祥事に対する反省·意識

(3) (1)の虚言癖やヘイトを煽るスピーチが暴動や暴力に発展したこと


の3つだ。とくに、保守側(Foxニュースとか)からは「言論の自由の侵害だ」とか言われているが、言論の自由はそもそも公共の安全福祉を害さない限りにおいて保証されうるものだ。


(1) ドナルドの虚言癖 については、Mary. L. Trump (トランプの姪)が Too much and never enoughで記述していたように、トランプ家は家庭的な事情から、父親 Fred が子供達に対して精神的なある種の虐待を行なっていた。トランプ家の父親Fredの子供に求めたものは「いかに自分にとって利益があるか」であり、


(i) キラー(人を搾取する人間)になること が善

(ii) 弱さ(助けを求めること)は悪


という絶対のルールであった。人格形成期の子供は親に承認を求める。「ママ、だっこ」といって両手を広げればママはやさしく抱きしめてくれるものだし、パパは子供とキャッチボールをしてくれるものだ。


だがトランプの家はそうではなかった。あらゆる子供としての愛情を求めたり助けを求める行為は「悪」とされ、激しい「叱責」「怒り」「侮辱」をうけ、皆の前で辱められることとなった。

このようななかで、Mary. L. Trumpによると、長男の Freddy と Trump含め、家の中で「嘘」をつくことが常態化した。この嘘は、例えばFreddyに絞っていうと「自身(や他の兄弟)を守るための」嘘を使っていたのに対し、Donaldはより「嘘」を積極的に使った。これは、FredとDonaldは年が7くらい離れていて、Donaldは兄の失敗を次男として見て学んでいたからだ。


こうして、人格形成期にDonaldは他者への共感性とか、思いやり、という基礎的な人格の機能を「失った」。これは親に多くは責任がある。異常な家庭で、残酷な虚言癖として仕上がったわけだ。


また、Donaldは兄の死んだ日に(それを知っていたにも関わらず)、妻と映画館に行き、そのあとは父親とビジネスの話をしていた。


これらの情報はネットの切り抜きではなく公開された書籍に基づく情報であり、アメリカが訴訟社会であることをふまえると「相当裏は取れている」とかんがえるのが妥当である。


この「自身の利益を最大化するために嘘をつくのも問わない」という姿勢は、本人のSNSでの活動にも反映されており、BBCが繰り返し指摘しているように「信頼に足る」根拠は一切ないのにもかかわらず、「選挙不正」を声高に叫び、暴動を煽動しようとした、というところにやはりシリコンバレーの各々の経営者(やそこで働いているほぼ全員)に「危機」を感じさせたのであろうと思われる。


「民主主義」とか「言論の自由」と言ってしまえば聞こえはいいが、それらを不当にハックして「ユダヤ人を殺せ!」とか「在日がこの火事の犯人だ!」などを声高に叫ぶことが果たして社会的に許容されていい「言論の自由」かというと NO だとしか思われないので、アメリカという社会が一人の虚言癖をもったソシオパスによって無茶苦茶にされる、というのは非常によくないと思われる。


また、ドナルドは対コロナでも事態を悪化させており全く結果を出せていない。


(2) Facebookの過去の C.A. を経由した不祥事に対する反省·意識


これは話すと長いので少し端折って話すと、そもそもトランプが当選された選挙そのものが「不正」であり、これはきちんと裏が取れている(SNSの切り抜きとか文責のわからないネットニュースや動画の切り抜きでは、ない)。


SCLという機関はもともとイギリスの軍の下請けであった。はじめはカリブ海の小さな国 Trinidadの政府の依頼を受けて個々人のネットアクセスデータを収集したり、また、どこかの国の依頼で敵対する候補を選挙で落とすためにSNSを上手に使って工作したり、そのターゲットの端末にハッキングをかけて(例えばその候補が癌である、みたいな病歴とか)それをSNSでアジテートさせる。

SCLはあとでCambridge Analyticaとなるが、Brittany Kaiser(Julian Assangeとコネクションあり)を迎え入れてWikileaksを使って Hillary Clintonを引き摺り下ろしたり(メールの内容をダンプして)また、SNS、とくにフェイスブックでは個々人のイイねやアクセスした記事の履歴、タイムラインの特定のトピックの滞在時間などいろいろなパラメータを取得してSNSユーザーをクラスタリング化し、それぞれのクラスタに適切な「プロパガンダ」を「繰り返し」みせさせた。


これをきいても「は?タイムラインに特定の情報が流れてくるからなんなの?」と思うかもしれないが人の認知というのは脆弱性が多数あり、タイムラインに過激な偏った情報やアジが流れてくれば10人中8、9人は影響されやすい。これが顕著になったのが、ミャンマーでのロヒンギャ民族の虐殺だ(フェイスブックがきっかけになったと言われている)


Brexitや、トランプ当選も浮動票をもつターゲットのSNSをハイジャックして上手に誘導したこと、そしてそれが Lukoilという企業をきっかけとして(Alexander Nixには一切モラルがなく、どこの国が何を依頼してこようと金さえ手に入ればよかった、とChristopher Wyllieが述べている) ロシアの諜報機関によって「ハックされた」、そのためドナルド·トランプが当選した、とみなしても過言ではないのだ。


シリコンバレーは、これの反省から、より大衆を扇動するような(とくに暴力的行為、差別やテロなど)ものに対してはかなり敏感になっているといえる。


Amazon, Facebook, Apple, 諸々が一丸となって足並み揃えて特定の個人を締め出すってのは「よほどのこと」なので、その「よほどのこと」をトランプがやっていたんだ、というふうに理解するのが順当である。


(3) 嘘を繰り返し叫び、SNSで「刺激的な嘘」や「ビデオの切り抜き」といった、比較的知能指数が低い人が飛びつきやすい(事実関係をじっくりと新聞を読み比べたり一次ソースにあたるっていうのは、ある程度の知的能力がないとできないのと、世の中の大半の人は....残念なことにバカである)ものをばらまく(disseminate disinformation)ことを自身に益するためにおこない、民主主義を汚した罪は重い。日本では対中強硬策ばかり見えているようだが、そもそもアメリカが分断されたというのはロシアの思惑通りであり、色々な意味でアメリカをだめにした大統領だということができるだろう。



諸々を鑑み、ロシアが発明した「国Aの右翼を上手に扇動して国Aを分断し、混乱させ疲弊させる」という上手な対外工作の片棒を担いでいるというのが実態であり、かつて日本を右翼が滅ぼしたように、右翼はきちんと抑え込まないと国そのものを敗戦に導くということである。(盲信は何も生まない)。アメリカは911のときもビンラディンの思惑通り軍事費を湯水のように中東ゲリラのために費やして財政を圧迫させた前科があり、まあ過去から学ばないんだな... とも思ってしまう。


いずれにせよ、一次ソースがSNS、といった状態は「知的能力·健全性を下げないためにも」極力避けたいものである。

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