「宗教は弱い人間がやる」という意見について

 「宗教は弱い人間がやる」という意見について

この意見は、基本的には「無知」ないし「誤解」がベースになっていると思っている。多くの場合、無知や決めつける判断をする主体の知性というのは極めて限定的である。例えば、

集合 U がある。（U > 0）

集合 U に属している個体Aがある　（A ∈ U）

集合 U に属している集合Bがある　（B ∈ U）

集合 U に属している残りの集合Cがある （C ∈ U, U - (B + A) = C）

この場合、仮に

個体Aが属性Dであった　（ A.p == D, p = property ）

ときに、通常は B.p == D, C.p == D とはそのまま導き出すことはできない。

これは極めて簡単な初等数学である。

つまり、

A.p → U.p とはならないし、ゆえに

A.p → B.p ともならない。

それを導くためには、もっと複雑な調査、処理が必要だからだ。

さて、実際のケースに当てはめてみよう。

アルカイダの数人(B)が、9.11テロ（D）を起こした (B.p == D)

これをSNSで見た人間が、

イスラム(U)って、テロの犯罪者(D')だね (U.p == D' : D ~ D')

と結論づけることは詭弁·誤謬·倒錯である。

その他にも、

スーパーフリーの和田さん(B)が、性犯罪（D）を犯した (B.p == D)

早稲田(U)って、やばい(D')ね (U.p == D' : D ~ D')

おまえ早稲田なの？(A) やばい(D')ね (A.p == D' : D ~ D')

また、

ある黒人(B)が、暴力を（D）を犯した動画がSNSで流れてきた (B.p == D)

これだから黒人(U)って、差別されてもしょうがないって思っちゃう(D')ね (U.p == D' : D ~ D')

また、

中国共産党(B)が、国家総動員法（D）を作った (B.p == D)

日本にいる中国人(U)って、雇ったらだめだ(D')よね (U.p == D' : D ~ D')

（政府(B)＝個人(U)ではない）

また、

SNSの動画のバイデン(B)が、ハレンチな行為をしている（D） (B.p == D)

バイデン(U)って、大統領にしちゃダメ(D')よね (U.p == D' : D ~ D')

（B... SNSの動画だけ切り取っていて、ニュースもその他書籍も資料も一切当たっていない、最悪、英語一切できない）

（U... 多くの人間がバイデンに投票した理由であるところのバイデン（政策含め））

このように、その個人に基礎的な数学的な思考（まんまIQと言い換えてもいいが）が備わっていれば、このようなバイアスから少しでも自由になることが可能である。

では、本題に戻ろう。

宗教（U) は　弱い人間がやる（D)ものなのか？

答えは、

弱い人間（B)にとって、宗教はよすがである（D')。(B.p == D')

もう少し掘り下げていこう。

精神疾患を発症している人(X)は、脆弱な状態にある（＝弱い）(B') (X.p == B')

精神疾患を発症していない人（Y)は、比較的強い状態(N)である（＝強い） Y.p = N

すると、

宗教をする人(U)は、全員精神疾患を患っているか(X)について、(U ∈ X ~ B)

Y ∈ D' が成立するので（Obamaは？Trump(福音派キリスト教)は？瀬戸内寂聴は？フリードリヒ二世は？アメリカ建国の父は？リンカーンは？靖国神社の職員は？）

宗教（U)をしている人が弱い（B)のではなく、

弱い人間にとって宗教は支えである。(B.p == D')

という部分的な事実があるだけである。

また、世界には　「強い人間と」「弱い人間」があるわけではなく、

「強くみせている人間」と「強い人間」の二通りがあり、より後者のほうが自分に自信があり、ツイッターなどで承認欲求を満たすために常駐することもなく、他者に対して寛容である。

出口治明さんが言っていたが、「国語のみで思考する」と「言葉に発する＝＝事実」のような錯覚をするが、実際ものを考えるというのは数学的な考え方が非常に重要になっている。

なので、宗教に対するなにかしらの偏見は、本人の数学的な知性の欠如だったり、教養の欠如、勉強不足によるところが大きい。

まあそんなかんじで、だらだらとしゃべってみた。