Friday, April 6, 2018

パンティ&ストッキングwithガーターベルト



キャラクター

パンティ:          金髪ビッチ(結構リアルなビッチ)、だらしない、姉
ストッキング:  いわゆるオカッパ黒髪系キャラ(鏡黒とかの系統)、スイーツが好き、妹
ガーターベルト: 黒人で、パンティとストッキングにミッションを課す存在

対象の消費者
18歳以上の男性

報酬系(何が消費者にとってメリットがあるか)
- 女のこ可愛い(目玉は金髪のほうであり、この子は華やかな見た目をしている、ストッキングは役割的には引き立て役)
- 絵柄がアメコミ風で普通のものと差別化が図られている(アートとしておもしろい)
- エロい
- はちゃめちゃである(エントロピーの高いイベントが起こるので注意を引く)

主なストーリーライン
原則一話完結ものである。主人公らは、自らの履いているパンツを脱ぎ、それが銃?に変化することでそれを使って二人一組で悪者をやっつける。

イベント
学校内でどちらが人気か、に関して争い合う。
街全体をうんこまみれにするヤベー奴がいて、はじめ主人公らは無関心であったが、危害が自身に及ぶことで初めてミッションを遂行する動機を持つ。
姉妹喧嘩(喧嘩でお互いの関係が悪いところから元の安定した状態に戻る、までがゴール)。
カーチェイス


特にカーチェイスでは、問題の解決(暴走しているマンを止める)に向かって最終的には収束せねばならないが、そこに到るまでに、どのように思い通りに行かず、どのような障壁があり、どの程度視聴者にフラストレーションを与えるか、また、それをどのように解決するか。つまり、I = issue, S = solutionとすると

I | S (n (i | s))

このようになる。全体としてのISは物語ないし一つの目標ブロックの単位、その中に細かいisの連鎖があり、それが最終的には全体の解決に向かうということになる。例えば、


車を乗っ取る悪い奴がいてみんなを困らせている ... I
この悪い奴をやっつける.... S


悪い奴は乗用車に乗り移って暴走 .... i
警察が取り囲んで食い止める....s

悪い奴はトラックに乗り移って逃走 .... i
パンティがやっつける .... s

悪い奴は新幹線に乗り移って逃走 .... i
ストッキングがやっつける ....s

このようになる。この際に、 Sを実現するための道具が、パンティの場合銃で、ストッキングの場合剣になる。

これが、キャラクタの特徴や魅力を色付けしていく形になる。

問題Iを どのようにH 解決するか Sで、  ISに対して、どのキャラがどのようにその解決にアプローチするか、がキャラクターの肝になる。

また、姉妹の喧嘩では、


喧嘩している ... I
  妹がリスクにさらされる .... i (エロくリスクにさらされている => 報酬系)
    姉が助けに来て横槍を入れて、敵を倒す .... s
喧嘩がなおる .... S

このモデルだと視聴者はゴールが簡単に見えるので、全く面白くない。解決までには障害とか「思い通りにならない」感じが必要である。そのため    

喧嘩している ... I
  妹がリスクにさらされる .... i'
    (エロくリスクにさらされている => 報酬系 .... i0
       姉が助けに来て横槍を入れて、一時的に敵を倒す .... s0
    妹が憎まれ口を叩き、姉妹で仲間割れ、敵に二人ともやられる .... i1
             二人は一時休戦ということで、共通敵に立ち向かう ...  s1
  リスクから解放される  .... s'
喧嘩がなおる .... S

こんな感じで、思い通りにいかない感じのクッションをおいたことで、読者に手に汗握る展開にさせた(読者はその分そのキャラに自身を感情移入させるため、キャラへの親近感とか思い入れが増す)

また、別の角度で考えると、

二人の関係性を一旦壊すことで、お互いがお互いに必要である価値の再確認を行う儀式でもある(キャラを見せるときに重要)

例えばジェットリーがいかにすげーやつかを視聴者にわかってもらうためには、ジェットリーなしの状態でみんなが絶体絶命のピンチな状態を作る。

サザエさんがいかに家庭を支えているかを示すためには、サザエさんを抜いて家庭が機能しないような感じを作る。みたいな感じである


まとめ
大きなお友達を購買層として(というかここが一番お金を持っているので)考えた時、「女の子が可愛いですよ」「華やかですよ」「えっちですよ」「ちょっと絵的に面白く、他のものにはない個性がありますよ」「予測不能な(はちゃめちゃな)イベントが起きてますよ」といった要素は、かなり重要になってくる。また、一話完結にせよそうでないにせよ、大きな「問題」→「解決」の箱の中に、それに至るまでの小さな問題とその解決を積み重ねていくという形式になっており、その中に伏線やノイズのイベントが入るにせよ、基礎系としてはそのようになっていることがわかった。また、キャラの魅力というのが(このキャラにまた会いたい=次もまた見たい、買いたいと思わせるということ)、この問題をどのような方法で解決するか、というところが担っている、ということもわかった。


追記:
画法についても面白く、ある程度デッサンとかパースは守られているが、外枠を固定して中をセパレーションさせていくという描き方は抽象度が高く、特異だなと思った。通常はラフな外枠を指定して、その中にオブジェクトを決めて行くが(そしてシンプルな図形の組み合わせから画像を作っていくやり方は葛飾北斎ですらやっていたが)、 本作品の場合まずアバウトなシルエットを規定して、その中にここからここまで顔、ここからここまで腕、ここからここまで指、といったパーティションを組んで行く描き方であり、これは通常の漫画の技法とは異なる。

追記2:
ただ、個人的にこの作品には失望を覚えた。OVAも含めて、キャラクターを雑に扱いすぎなきらいがあり、自分ならこうはしないのに、の連続だった。奇抜ではあるが、最後に希望とか明日への意志がない作品は、単に乱暴なだけな気がした。

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