Wednesday, May 1, 2019

テキトーに小説ごっこ

※下記の人物名、団体名は架空のものであり、実在の人物、団体とは関係ありません

小学校の頃、ある嫌な噂があった。

同級生の井本くんが行方不明になり、それは近所の若い男が犯人であるということだった。だが、そいつは捕まらないのだとか。

僕は当時精神的には幼かったし、 少し怖くはかんじたけど、行方不明になるというのがどういったことなのかよく見当もつかなかった。

大崎さんはすごく震えていた。下校時は僕と大崎さんと、山田っていう2年の子の3人組。

「この辺り、林だから。。。」

女の子がビビっているときに、僕と山田は交互にいきった。

「大丈夫、ぼくがついてる」
「ぼくは喧嘩強いよ」

このような不毛な会話が繰り広げられていた。確かに人は少ない。

山田とは2丁目の交差点で別れて、僕は今日大崎さんの家に、大崎さんのボディガードを口実にして遊びに行こうと思った。

「ねえねえ、ぼくがいれば安心だよ」

まだ思春期ではないので、はにかみもなくすらすらと同年代の異性と話すことができる。

 「いいよ。」

彼女は母子家庭で、年の離れた兄が一人いたが、 かなりやんちゃをしているらしい。

でもあまり怖いとは思わない、この前佐々木と一緒に遊びにいった時結構いいお兄さんなかんじだった。

噂ではいろいろと暴力事件を起こしている、とかきいたけど、実際会うとそんなふうにはみえなかった。

大崎さんの家につく50m手前で挙動不審な男が目を斜め45度に反らしながらこっちにちかづいてくるのがみえた。

僕は悲鳴をあげそうになりながら、逃げようとした。大崎さんはあしがすくんで動けなくなったみたいだ。男のオーラと加速度から、その大人の男が明らかに僕らに物理的な危害を加えようとしていることは確かだった。

そのほんの数秒間、僕は大崎さんにイライラした。僕は大崎さんにかまわず、走って逃げ出した。

途中、林の中に入っていく。泥などが靴から靴下にはいり、また、ところどころで草で顔や手を切ったみたいだ。

男は大崎さんを刺したようだ。振り返ると、遠景でよくわからないけど大崎さんが「異様な」倒れ方をしていて、その倒れ方は異常なものだった。この異常さというのは、たとえば電車で人が轢かれていたときにその場に漂う空気で、その空気は実際の物体をみなくても異様なものとして精神に投影されるのだろう。

僕は一目散に走った。走ったが無駄だったようだ。

首から勢いよく何かが迸った。

と、この時点で目が覚めた。寝汗がすごい。寝ている最中に死の疑似体験をするといきていることがとてもありがたく感じてくる。

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