Thursday, September 27, 2018

精神を壊さないためのコツ




人間の脳は成長するに従って壊れやすくなる。特に真面目だったり、感受性が強かったり、早熟だったりするとなおさらだ。

文学者が、換言すると人間の実存性をエッチングする種類の人間が自殺する確率がなぜ高いか、という命題ともこれは重なる。

答えは明快で、精神構造が複雑化するからである。

精神構造が複雑化するというのは、脳にかかる負荷がたまるポイント(Point of Failure)も増えるということを示唆する。色々な社会的なプレッシャー、他人の評価、人間関係、自己評価、将来への不安、身体的な苦痛、などなど。マイナスの要素になりうるバロメータは多くなる。

また、これは地域差もあるが、勘ぐりあいとか表裏とか、感情の襞とかそれに対しての傷とかストレスとか、そういうのも含まれるであろう。つまりは大人になると脳みそが壊れやすくなる。これを、酒でごまかす人もいるし女でごまかす人もいる。でも根本にあるものは変わらない。

精神を、こういった負荷から守る簡単な方法がある。

それをこれからリストアップする。



1. 清潔な環境、秩序を維持すること(割れ窓理論)
2. ストレスのはけ口(できれば物理的なはけ口)を、負債を残さない形でキープする
3. 計画的に幼児化する



これらを今から簡単にブレイクダウンしていこうと思う。

1. 清潔な環境、秩序(ムード)を維持すること(割れ窓理論)

これは待遇をとればわかりやすく、不潔な環境もしくは無秩序な状態は、生体にストレスを継続的に与えやすい。逆にいうと、秩序を正しく維持できていると、ストレスは最小限に止めることができる。これに対しての論証は、おそらく質問の形をとるとわかりやすいであろう:

a) どうしてコワーキングスペースが流行っているか。なぜそれらはお洒落か。
b) なぜ歯医者でボサノヴァをかけているか。
c) ムードとは何か。ムードが組織に与える影響は何か。それは必須か、選択か。
d) 西成と大手町、犯罪率の高いのはどちらか。
e) 美術館に行くと、どのような気分になるか。
f) 大衆酒場で、受験勉強はできるか。
g) なぜ、軍隊に旗や軍歌が必要なのか。

これらの命題を一つづつ解いていくと、常に5感が触れるものが、人間の士気や考え方、脳の仕組みにダイレクトに影響するものだ、ということが結論として自明となる。悪いムードが発生すれば、それは割れ窓理論よろしく、悪いムードが全体を蝕んでしまう。良いムードを作ると、良いムードが全体をよくする可能性がある。ムードとは文化であり、ムードがほぼ全てを決定する。

2. ストレスのはけ口を、負債を残さない形でキープ

特に中高年になると運動不足によりさらにストレスが溜まりやすくなる。これを食に求めると長期的には身体的な負債を残す(高血圧、肝硬変、諸々)ことになるので、そうならないよう上手にストレスを管理することが必要だ。
特に、常に違う刺激を脳に与え続ける必要はあり、例えば散歩で見栄えのいい場所をフラフラ歩くというのも視界に入れたり耳に入れたり、臭ったりするものに上手にノヴェルティを入れることによって知覚的な閉塞感(桎梏)に陥らない状態をキープする。

3. 計画的に幼児化する

負荷を受け、また蓄積し、生体的な弊害すら生じる可能性のある成人男性の脳の「下方硬直性」であるとか「閉塞感」を上手に管理するには、上手に「赤ちゃん」になるしかない。

つまり計画的に意図的に自分の精神構造をバラバラに分解し、単純化させることで不要な脳のゴミとか膿を一旦吐き出すことができる。

この単純化、を実現するためには少々不格好にもなるが、この単純化というのはアドレナリンが上手に出ている状態をキープする能力と表裏一体であり、新しいものを生み出す力、もどちらかというとこちらに帰属する。

心を病む段階になると人は知覚のあちこちをいろんな鎖で縛られているので、幼児化というのはそういったマインドコントロール的な状態に対する受け身、や免疫、として軽視できない。マインドコントロールへの免疫、というのは、いわゆる共同幻想に飲まれる形で、自己懲罰的な形のフォーマットを自身の知覚に対して受けない、ということを意味する。

最後に、幼児化というのは知的なレヴェルの高さとも比例し、より複雑度の高いものをより簡単なもので瞬時に置き換えられる能力というのは実際色々な場面で必要とされるものである。(該当の主題に対して理解力が深ければ深いほど、子供にでもわかる言葉でそれを説明することが、おおよそはできる)


まとめ
総括として、精神的な負荷を最大限軽減し、最大のパフォーマンスを出すためには人間はある程度秩序を維持することを心がけ、ストレスのはけ口を正しく健全な形で確保し、かつ、ある程度幼児化することが必要である、ということを結論づけたい。ここでいう幼児化とは、事理弁識能力や責任能力、知的体力の欠如、 ということを意味せず、複雑な知覚のしこりを綺麗に分解して再構成するための機動力の高さのことである。(ベンチャーの経営者に子供みたいなテンションの人が多いのはこのためである)

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