ごくせん 森本梢子 集英社 (1−3)
1Pあたりのコマ数が比較的少なく、縦で2-2.5の割り方。背景の描き込みも割と簡素で、1ページにつき一コマ、が多くそれ以外は白い。回想シーンも白背景。
主な焦点は「主人公の山口久美子という担任が、底辺男子校を受け持つ」というところである。
山口は、滅茶苦茶戦闘力が高い。これがカリスマポイントになっており、ある生徒が後ろからパチンコ玉を投げても見ないで躱せるくらい殺気を察知する能力に長け、16歳の頃から空手有段者の担任を伸してしまうほど強い。また、ヤクザの家に属しており、その中での人間関係のドラマ等もある。
各エピソードは、主にキャラをより詳細に描写するための回想であるか、生徒などの中で問題があったり、トラブルに巻き込まれたりすること、また、ひったくりであるとか外部からの事件が無理やり学園やその人物に関わってくる、といったものがトリガーになって進む。
対象読者: 比較的広い。難易度から青年だが、男女は問わない。
メリット: 主人公のカリスマ性を消費して面白い、と感じる。また、不良漫画独特の空気や、学校での問題(いじめ、トラブル、非行、不良の意外な内面(ギャップ))を消費することによってドラマを楽しむことができる。)男性よりがターゲットであるが、女性目線できつい表現はない。(よって守備範囲広め)
神のみぞ知るセカイ (1)若木民喜 少年サンデー
主人公はギャルゲー厨のオタクボーイ(ただし、女性に求められるスペックは揃えている)。彼に初期段階で設定が組み込まれる。
特定の女(x)を口説いて自分に惚れさせる。これができないと強制的に付けられた首輪が当人の首をそぎ落とす。
これは押掛け女房的、サブキャラによって設定され、彼女はイベントを最後に締めるキャラ、また、 イベント(各ミッション)を補助するキャラとして立ち回る。
対象読者: 男性。(年齢は青少年)(か、男性目線にコミットする傾向の強いオタク女子)
メリット: ハーレムの消費。様々な個性を持った女の子キャラクターを攻略、ほんわかした色気やときめきを消費して、現実で満たされない恋愛欲求を満たしてくれるのでどちらかというとオタク向け。仮想現実。ギャルゲーのロールプレイ。
ヤングアニマル
ふたりエッチ 克・亜樹
完全なエロ系。エロに特化しているため、どのように女体を赤裸々に見せるか、といったことに焦点が絞られている。メリットはエロ。(成年漫画雑誌のグラビアページとほぼ同じ機能性であり、それを漫画でフルにアプローチしている)
ギャルごはん 太陽まりい
Gペンでなく筆と細ペン。女の子かわいい。極端のエロと異なり、よりソフトに恋愛を消費する。
いけない彼女のお手伝い 中原開平
楽園のゲルニカ 武田一義 戦争サバイバル系
民法改正 あかほりさとる
あそびあそばせ 涼川りん
美少女ギャグ 女の子の可愛さとコメディの二点が焦点。個々のキャラクターをコミカルに動かして楽しませるように作っている。英語ができない外人キャラをいじる、というイベントで1エピソードもたせている。
上野さんは不器用 tugeneko
エロ美少女マイルド系。キャラはらき☆すた的な二頭身に近い可愛い系。ただ、キャラの中身は抽象度が高くこれもらき☆すた系。
斑丸ケイオス 大野ツトム
キングダムっぽい。モンスターの大きさなど質感のプレゼンテーションが上手。戦闘シーンもそこそこ面白い。
ヤング系の雑誌は、全体の傾向として露骨なエロ(女体を見せる)、ソフトエロ(間接的)、恋愛系(ただし女性キャラは抽象度が高い)。特化しすぎていて、若干疲れる嫌いがあるが、男性読者の最大公約数に消費されるためには避けて通れない要素か。(島耕作しかり)。なのでエロ漫画にならないすれすれにどこまでいけるかが勝負のポイントだとも言える。(あくまでターゲットが青少年であれば、の話)
もしここを避けて通るとすれば、タブー系か自己啓発系か情報付加価値系の二つの焦点を多めにするといいのかもしれない。 特定の、それでいてニッチであり、(誰も手をつけていないトピック)かる需要が大きいものを探り当てるかが鍵だ。
しかしそれは付加価値なため、多くの場合はセカンダリに持って行かれることが多い。
また、これらの付加価値とエロを組み合わせるという手段は鬼に金棒かもしれない。ただし女性読者や子供をごっそり切る覚悟がないといけない。
綺麗事で成功(ここでの成功は、それを生業とできるだけの継続的な需要を獲得できる事を示す)できる人は本当に一握りなので、使える手段はなるべく全て使うべし。もちろん、対象が変われば、全てのセットを変えなければならない。
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